SEO対策
うまい棒めんたい味の如く映画を語る うまい棒めんたい味の如く映画を語る 第五十六回映画レビュー「サマリア」

うまい棒めんたい味の如く映画を語る

ちょっぴり辛く、どちらかと言うと甘い感じで 映画をレビューしていきます。 ホラー、サスペンスが中心です。

第五十六回映画レビュー「サマリア」

サマリア サマリア
クァク・チミン; ハン・ヨルム; イ・オル (2005/09/23)
ハピネット・ピクチャーズ
この商品の詳細を見る






【あらすじ】
ヨジンは刑事のヨンギを父に持つ女子高生。
彼女の友人チョヨンは援助交際で卒業旅行の旅費を稼いでいた。
ヨジンはその手伝いとして見張り役を請負いながらも、チョヨンを犯す
汚い客を許すことができない。しかしチョヨンは客の考えや気持ちを理解しようと
いつでも笑みを絶やさないでいる。

ある日のこと、チョヨンがいつものように援助交際をしていると、警察がホテルに侵入。
ヨジンが連絡を怠ったせいでチョヨンは逃げることができず、窓から飛び降りて死んでしまう。

彼女の死を嘆き悲しんだヨジンはその罪滅ぼしと、最後まで笑っていた彼女の心を
理解しようとするため、自分がかつてのチョヨンの客と援助交際を行い、今までにためた
料金を返していく。客達は皆救われた気持ちになってヨジンに感謝し、
彼女自身も次第にチョヨンの心を理解することができるようになっていった。
しかしある日、ヨンギに援助交際の現場を目撃されてしまい・・・・。





「韓国の北野武」ことキム・ギドク監督が
援助交際に励む女子高生の友人を通し、人間が犯す不条理な罪を描き上げた問題作。




大分下火にはなったものの、韓流ブームというのはまだまだ根強いらしく
レンタルショップにもやたら大きなコーナーが設けられていて、
いかにも「わたしヨン様大好きよ!」と言いたそうな
中年のおばちゃん達が品物を物色しているのをよく見かけます。




美しくも暗い映像、激しいバイオレンス、そして難解かつ救いのない
ストーリー
が持ち味のキム・ギドク作品はそうしたブームの恩恵を
あまり受けていないようで、大抵は隅っこの方にポツンと並べられています。
酷い時にはバラバラに置かれていたりもします。

まあヨン様大好きおばちゃんの大部分は
韓流映画にそういったものを求めているとは到底思えないので、
そういった扱いも悲しいことではありますが、妥当なのかもしれません。



もしおばちゃん達が「あら?この映画、チャン様(チャン・ドンゴン)が出てるじゃない、借りちゃお!」
だなんていって「コーストガード」なんて借りてしまった日には
おばちゃんの精神はボコボコに打ちのめされ、
家族の食事は少なくとも一週間インスタント食品か店屋ものになってしまうでしょう。
あるいは「わけわかんないわ、これ」と途中で停止ボタンを押されます。





この「サマリア」も当然例外ではありません。
美しくも暗い映像、激しいバイオレンス、そして難解かつ救いのないストーリー
がバランス良く込められています。




この作品は「パスミルダ」「サマリア」「ソナタ」の三部構成となっております。
それぞれの内容を紹介していきましょう。





パスミルダ

インドの言い伝えに登場する娼婦のこと。
彼女を抱いた男はその幸福感のあまり、皆が悟りを開いて
仏教徒になってしまったと言われています。

ヨジンの友人チョヨンは自分がパスミルダになることを目指し、
援助交際を繰り返します。
ヨジンはそんなにまで無垢なチョヨンが汚い男達によって汚されていくのが
許せなかったのです。

しかし、チョヨンは自分の些細な倦怠のせいで命を落とすことになってしまいました。
絶望したヨジンは今までチョヨンが貯めたお金(私じゃ心配だから預かっておいてと言われていた)
を焼いてしまおうと考えますが、すんでのところで思いとどまり、
彼女への罪滅ぼしのためと、彼女が感じたことを少しでも理解するために
かつての客達との逆援助交際を始めます。

なぜお金を燃やさずに、客へと返そうと思ったのか。
おそらく罪滅ぼしの一環であると思われます。
チョヨンが犯した売春という罪をリセットし、自分が肩代わりするための
手段の一つとしてそのような方法を取ったのでしょう。
結局は何の解決にもなっていないばかりか、新たな悲劇を
引き起こしてしまいます。




サマリア




第二部の主役はヨジンの父のヨンギ

娘の売春の現場を目撃してしまいますが、父子家庭で
娘への愛情が人一倍強い彼は娘に怒ることができず、
娘の客に対して、娘に悟られぬよう怒りをぶつけます。

最初のうちは現場から出てきたところを捕まえ
その場で事実を追及して謝らせるだけで済ませていたのですが、
憎しみは益々膨らんでいき、それは次第にエスカレートしていきます。


それでも彼は娘にその真実を追及しようとはしません。
それが結果的に彼の罪となってしまいます。


僕はこの部が一番好きですね。
とにかくヨンギ役の役者さんの雰囲気が物凄く怖い。
客を尾行し、彼のアパートにまで入り込んで
家族の前で売春の事実を追及するさまは下手なホラー映画よりも恐怖感があります。
そして終には・・・・・


バイオレンスな描写が最も多いのもこの部です。



ソナタ

それぞれの罪を背負った親子。
二人は母の墓参りを兼ねて旅行に出かけます。
果たして二人はお互いの真実を打ち明け、理解することができるのでしょうか・・・。


この部では大自然が織り成す美しい映像をたっぷりと堪能することができます。
加えて、キム・ギドクのカメラワークの巧妙さにも驚かされるでしょう。




そして、物語の結末・・・・・
様々な解釈があると思いますが、
僕の考えとしましては、やはり救われないという感じがしてなりません。



人間の行動の理不尽さを前面に押し出したストーリー
そしてそれとは対極的な美しい映像
キム・ギドク作品の中でも傑作の部類に入るでしょう。




ストーリー ★★★★★
スリル   ★★★
オバカ   ★
グロ    ★★★





よろしければクリックしてくださいね
にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

テーマ:DVDで見た映画 - ジャンル:映画

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://mentaiazi.blog115.fc2.com/tb.php/94-a9c36d3d
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad

1GB!FC2ブログ(blog)