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うまい棒めんたい味の如く映画を語る うまい棒めんたい味の如く映画を語る 第八回映画レビュー『あの夏、いちばん静かな海』

うまい棒めんたい味の如く映画を語る

ちょっぴり辛く、どちらかと言うと甘い感じで 映画をレビューしていきます。 ホラー、サスペンスが中心です。

第八回映画レビュー『あの夏、いちばん静かな海』

あの夏、いちばん静かな海。 あの夏、いちばん静かな海。
真木蔵人 (1999/05/25)
バンダイビジュアル
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1991年 日本

監督:北野武
出演:真木蔵人 大島弘子

【あらすじ】
聾唖者の茂は仕事であるゴミの回収作業の途中、
先が折れたサーフボードが捨てられているのを見つける。

サーフボードを発砲スチロールと割り箸で修理した茂は
翌日、ガールフレンドで同じく聾唖者の貴子と共に
近くの浜辺でサーフィンをするが、なかなか上手くいかない。
だが、彼はサーフィンに夢中になり、メキメキと腕を上げていく。

タカコはそんなシゲルを静かに見守っていく。







暑い日が続きますね。
温暖化に影響すると聞いて、なかなかクーラーに手がのばせません。




今回はそんな夏真っ盛りにふさわしい映画を取り上げたいと思います。
(いえ、ホラー映画もある意味では夏らしいと言えるんですけど・・・)





この『あの夏、いちばん静かな海』はあの北野武の三作目の映画作品となります。




北野映画と言いますと、世間的には好きな人と
嫌いな人がはっきり分かれるようでして
僕なんかはこの人のファンなのですが、
僕の母親がものすごく嫌っていまして・・・・。





その理由として、母が言うには主に
「この人はいつも自分の映画に主役として出てる、ナルシストだ」
「暴力的な描写が多い、残酷だ」という事を挙げております。




いや、確かにその通りかもしれません。




『HANA-BI』なんかはファンの僕から見ても
ちょっとクサいかなと思うところがあったり
(映画自体は良い出来なのですが)

暴力描写も、ホラー映画などで
見慣れている僕のような人間ならともかく、
そういうのをあまり見ないような人から見れば
やっぱりキツいのかもしれません。





でも、この映画はそういった北野映画が嫌いな人、
苦手な人にも是非見ていただきたいです。
たけしは一切出てきませんし、残酷な暴力描写も一切ありません。



真木蔵人演ずる主人公の茂とその恋人貴子は
聾唖者という設定のため、一切喋りません。

普通の映画だと、このカップルがそのことで差別を受けたりして
ああかわいそうなんてことになるんですけど、
この映画ではそういうことはありません。

オバカなサッカー青年の二人組から小石を投げられるぐらいです。
(この二人も悪意からそういうことをやったわけではなくて、
後々主人公に感化されてサーフィンを始めたりもします。)

かといって変に特別扱いするということもなく、
周りの人はごく普通に彼らと接します。





この二人、一切言葉を口にしない分、非常に良い表情をします。
まさに「目は口ほどにものを言う」といった感じです。

映画全体もこの二人と同じように静かな雰囲気で包まれています。
一応音楽とか、他の人の台詞とかはあるんですけど、
それでもなんとも言えない静けさが漂っているんです。





他の登場人物も皆いい人ばかりで、
悪人と言うべき人は一切出てきません。

例えば、サーフショップの店長。
他のサーファーからも親しまれている人徳のある人なんですけど、
純粋にサーフィンに打ち込む茂を気に入って、
ウェットスーツをタダであげたり
大会へ誘ったり、車で会場まで運んであげたりと、
色々世話を焼いてくれます。




他のサーファー達も初めのうちは
下手な茂を見て笑ったりしていましたが、
茂の熱心さに感心し、しだいに仲間として打ち解けていきます。




先ほど書いたオバカな二人組もいい味を出してます。

彼らは浜辺へ行く茂と貴子を見ているうちに、
自分達もサーフィンをしたくなってきてしまい
リサイクルショップで売っていた
激安のサーフボードでサーフィンにチャレンジするのですが、
彼らの行動ひとつひとつが非常に面白くて微笑ましいです。

茂達の行動を真似していって色々と失敗をするといった感じで、
あまりストーリーとは関係ないんですけど、
それがなんとも言えない良い味を出しています。





話はとにかく淡々と進んでいきます。
途中でささいな誤解から彼女と喧嘩してしまったり、
サーフィンに熱中するあまり
仕事をサボって上司から怒られてしまったりするんですけど、
どれもあっさりと解決します。

このような展開は起承転結の「転」をないがしろにしていて
映画的には駄目なのかもしれません。



しかし、あくまでもこの映画は
「茂がサーフィンに打ち込んだ夏」の話でありまして、
何かがそれを邪魔するといった「映画的な展開」は
いらないのかもしれません。





でも、この映画にも結末というものがありまして
その結末がまた非常に悲しいんです。

久石譲の音楽が悲しさを盛り上げてくれます。
音楽に食われてしまう映画っていうのは結構多いんですけど、
北野映画は久石譲の音楽が内容とうまい具合に
まとまっていて非常に良い感じですね。




「好きな邦画を十本選べ。」と言われたら、
この映画を十本のうちの一つに選びますね。
あらゆる人にオススメできる映画です。




ストーリー ★★★★★(ほとんど何も起こらない、だからこそ良い)
スリル        (物語は静かに進んでいきます)
おバカ   ★★★  (オバカな二人組が本当にいい味出してます。)
グロ         (直接的な暴力描写は一切ありません。)
音楽    ★★★★★ (久石譲の中でも屈指の名曲)


トラックバック先へのリンク
「スピカ日記」さん
http://blogs.yahoo.co.jp/ynepon7/32597751.html






テーマソング 久石譲 SILENT LOVE その他

テーマ:映画レビュー - ジャンル:映画

コメント

はじめまして。
いいレビューですね、私は映画館で観ましたが 泣きました。

「茂がサーフィンに打ち込んだ夏」の話でありまして、
何かがそれを邪魔するといった「映画的な展開」はいらないのかもしれません。

まさにその通りですね。
静かに暖かく話が流れていった果てに、あっけなくラストがきてしまったという感じです。
受け入れる心の準備もないまま久石譲の音楽が流れ出し、
この気持ちのやり場をどうしようと思いました。

もう一度観たくなりました。
思い出させてくれてありがとうございます。

  • 2007/08/05(日) 16:31:57 |
  • URL |
  • ママちゃん #-
  • [ 編集]

>ママちゃんさん

本当にいい映画ですよね。
僕はDVDでこの映画を観たんですけど、
もし劇場で見ていたらおそらく泣いてしまったでしょう。

>もう一度観たくなりました。
思い出させてくれてありがとうございます。

僕は見ての通り文章を書くことが苦手で、このレビューを書いた時も、
「この映画の良さが伝わらないのではないか」と不安を感じていたのですが、
このようなコメントを頂き、嬉しい限りです。

こちらこそ、どうもありがとうございます。


  • 2007/08/05(日) 18:39:56 |
  • URL |
  • かからないエンジン #-
  • [ 編集]

「スピカ日記」のneponです。TBしてくれてありがとうございます。
本当にこの映画は静かな中にも深い愛情を感じる作品ですね。

  • 2007/08/09(木) 18:47:12 |
  • URL |
  • nepon #-
  • [ 編集]

>neponさん

再度のTBのお許しを頂き、どうもありがとうございます。
先月この映画をレビューするためにレンタルして観たんですけど、こんなに暑い日が続くとまた観たくなって来ます。
本当に良い映画です。

  • 2007/08/09(木) 19:29:29 |
  • URL |
  • かからないエンジン #-
  • [ 編集]

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