![]() | ヤン・シュヴァンクマイエル 「ジャバウォッキー」その他の短編 ヤン・シュヴァンクマイエル (2005/02/23) コロムビアミュージックエンタテインメント この商品の詳細を見る |
チェコのシュールレアリスト兼映像作家のヤン・シュヴァンクマイエル氏の短編集です。
どれもが長編作品とは異なった方向の、摩訶不思議な雰囲気を持つ作品です。
一つ一つの時間が短いので割と軽く見ることが出来るのがいい感じですね。
では、個々の作品を紹介していきます
シュワルツワルト氏とエドガー氏の最後のトリック(1964年)
二人の奇術師がお互いの技を交互に披露していく
しかし、激しい握手のしすぎで喧嘩になってしまい・・・・。
シュヴァンクマイエルの記念すべきデビュー作
音楽の間に断片的に挿入される効果音や奇怪な映像など、
シュヴァンクマイエル節はこの頃から変わっていません。

頭がいっぱい

手がいっぱい

遂には殴り合いに・・・
ヨハン・セバスチャン・バッハ : G線上の幻想(1965年)
天才音楽家バッハの曲に合わせて壁が映し出されていく。
ひたすら壁を映し出していきます。
たまにアニメーションで穴が空いたりもしますけど
音楽に合わせて壁が映し出されていくだけの作品。
白黒な映像も相まって、どことなく荘厳なイメージを
醸し出しております。

ひたすら壁
家での静かな一週間(1969)
ある男が扉に穴を空けて中を覗くと、
そこにはネジや舌肉が不自然に動いている
不思議な空間が広がっていた。
男は扉の前で一日を過ごし、次の日になると
今度は違う場所に穴を空けて中を覗くといったことを繰り返す。
そして一週間が経過し・・・
不気味さが漂う作品。
男の目的も全く不明。扉の中で繰り広げられる不思議な光景は
ひたすら無音で、なぜか画面がぶれています。
ブラックユーモア的要素があまりないのも特徴。

中を覗けば・・・

一人でに燃え上がる花<
庭園(1967)
友人の屋敷に遊びにきた男。
そこでは何人もの人々が手をつないで門の代わりとなっていた。
シュヴァンクマイエルの中ではかなり珍しい、
アニメーションが一切使われていない作品
門の人達はジャンケンしてたり、なぜか運動着だったりして個性豊か
最後の展開は予想できるものの、なかなか味わい深いです。

これが人間の門です

ちゃんと開きます

こっそり遊んでたりします
オトラントの城(1979)
「オトラント城に昔から棲む巨人が大きくなりすぎるとき、
城主はその所有権を失う」
という伝説が残されたオトラント城は
東ボヘミアに実在したものであった。
考古学者のインタビューが始まると同時に、
城にまつわる伝説が書かれた本の挿絵が動き出し、
その伝説を再現していく。
中世の気品溢れる紙芝居っぽいアニメーションはなかなかの見もの
でも途中で挿入される考古学者の写真で笑ってしまう。
最後のシーンは制作当時、検閲によって削られたそうですが・・・。
確かに何かしらの意図を感じさせる場面ではあります。

巨人に監視されている?

最後は・・・
ジャバウォッキー(1971)
子供のつたない発音によるジャバウォッキーの詩が朗読されると
子供部屋にある全てのものが命を持ち、動き始める。
表題作、「鏡の国のアリス」が元ネタ。
まさにダークファンタジーといった作品。
木から落ちてきた林檎は次々と腐っていくわ、
人形から人形が生まれて、生まれた人形はお鍋で煮られて
他の人形に食べられちゃうわ。
柄が人形になっているナイフや子供服は
まるで生きているかのように踊りだすわ、
こんな感じの素敵な映像が13分てんこ盛り!
ヤン・シュヴァンクマイエルという人の凄さを
見せ付けられる作品です。

素晴らしい踊りを披露する子供服

煮られる人形
独特のユーモア溢れる短編の数々でした。



