うまい棒めんたい味の如く映画を語る

ちょっぴり辛く、どちらかと言うと甘い感じで 映画をレビューしていきます。 ホラー、サスペンスが中心です。

第八十四回映画レビュー「ナチョ・リブレ 覆面の神様」


ナチョ・リブレ 覆面の神様 スペシャル・コレクターズ・エディション


ナチョ・リブレ 覆面の神様 スペシャル・コレクターズ・エディション

(2007/11/22)
ジャック・ブラック

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【あらすじ】
イグナシオ(愛称ナチョ)はメキシコの小さなカトリック系修道院の料理係で、プロレスが大好き。
修道院では資金難のため、孤児達が大きくなるための満足な食事すら与えることができない。

子供達に満足な食事を食べさせるため、そして片思いのシスターエンカルナシオンに
想いを伝えるため、ナチョは自作のマスクとタイツを身に付けて「ルチャ・リブレ」の選手となって
相棒の「ヤセ」と共にリングに上がることを決意する。

ファイトマネーは貰えるものの、試合は負け続きのナチョ&ヤセコンビ。
なんとかプロになれないかと憧れのレスラー、ラムセスに接近するが、
ラムセスは子供に冷たい欲張りな男だった。
幻滅したナチョはラムセスに一泡吹かせるため、挑戦権をめぐるバトルロイヤルに
出場するが・・・・




あの「バス男」のジャレッド・ヘスと「スクール・オブ・ロック」の脚本家マイク・ホワイト
のコンビによる、実在したメキシコのレスラーを元にした作品
主演はおなじく「スクール・オブ・ロック」のジャック・ブラック。





さて、この作品、簡単に言えばメキシコ版「タイガーマスク」といったお話で
話の流れ自体は非常にシンプル

ところが、やはり監督があの「バス男」の人で、さらにマイク・ホワイトが脚本なんだから
これがごく普通のありきたりなスポ根映画になっているはずがない!


もう全編にわたってジャレッド・ヘス後自慢のノホホン、ユルユル感が漂っています。



のほほんとした映像の撮り方も見事ですが、やはり「バス男」同様に
一癖も二癖もあるキャラクター達がとにかくおかしい。



まずは主人公のイグナシオ(愛称ナチョ)
その見かけだけでも充分なインパクトを誇る彼ですが、性格もやはりというべきか非常にユニーク。
そもそもこのイグナシオがプロレス好きな理由というのが、小さい頃からいつも皆(大人含む)から
見下されていたから。

プロテスタントの父とカトリックの母を持つ彼は、
閉鎖的なメキシコの修道院においてやや異端の存在であったようで、
冒頭の食事シーンでも神父の一人から”白人”(グエロ)と呼ばれて蔑まれています。

プロレスは、そんな孤独な彼の心の支えになったのでしょう。


で、このイグナシオ、ものすごく真面目な人なんだけど、やっぱりどこかズレていて失敗ばっかり
本人は物凄く真面目にやってるのに、傍から観るとバカやってるようにしか見えない。
もうやることなすこと笑っちゃいます。

しかもこの人はやたら格好付けて物事を話すタイプで
着替えてるところを修道院の少年(ナチョを影から応援するポッチャリ系の男の子)に
観られた時なんか、何て言い訳するのかと思ったら「男は誰でもピチピチのタイツを履きたくなるときがある。」
なんてことを言っちゃうんですよ。すっげえ真面目な顔で
もうやることなすこと全部面白い人。




それで、このイグナシオの相棒が「ヤセ」
この人は今まで何してたか良く分からない人で、なぜか常に上半身裸、
動きは以上にすばやい、そのすばやい動きで人の食べ物を盗っちゃったりする。
ちょっと野生児っぽいところもあったりして、もう一言で言い表せない人。
登場シーンからしてもうインパクトありすぎて笑ってしまいます。
ナチョと組んでからは相手レスラーに髪の毛毟られたり、リング外に分投げられたりと
いいとこなしで、それがまた笑えるんです。
「バス男」で言うペドロ的キャラクターですね。





でも、この映画のすごいところはこういったメインの登場人物だけじゃなくて
例えば試合実況の寄り目のおっさんだとか、イグナシオの乗り物(これも変)に穴を空けた
ちょっぴりダニー・トレホ似の妙に渋いおっさんだとか
バトルロイヤルの変な対戦相手だとか、とにかく画面に映るほぼすべての登場人物が
みーんないい味を醸し出しているということ。
だから何回観ても面白いんですよ、何かしらの小さな発見があるから。
多分このジャレッド・ヘスと言う人はよっぱど人間愛に溢れた人なのか
それとも、実は大の人間嫌いなのかどちらかでしょう。




そして、キャラクターや映像に劣らぬ音楽の素晴らしさ。
「バス男」でも最高にイカした音楽の使い方を見せてくれましたが、
今回もまた素晴らしい。
特にこの作品のユルさを如実に表現したメインテーマ
この曲、オープニングなどのほかに一箇所、ものすごくいいシーンで流れるんです。
ヒーローものやスポ根などで言う「燃えるシーン」で流れるんです。
もうこの使い方が本当に良いですね、”ユルさ”と”熱さ”が融合したユル熱いとでもいいましょうか。
最高のシーンとなっております。
でも一番びっくりしたのが、この音楽を作曲したのがなんとあのダニー・エルフマンだってこと
いや、僕はどうも「ダニー・エルフマン=ティム・バートン」のイメージが強いので
ああいった曲も作るのかとちょっと意外に思えましたね。





個人的には「バス男」よりも好きな作品です。
レンタルビデオ屋に来たけど、借りたいものが見つからないという時に是非どうぞ!
オススメです。





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