![]() | シベリア超特急 劇場公開完全版 (2002/02/22) 水野晴郎 商品詳細を見る |
【あらすじ】
1941年、動乱の満州大陸を走るシベリア超特急。
そこにはヒットラーとの会談を終えた山下奉文陸軍大将が
部下の佐伯大尉、青山一等書記官と共に帰国の途についていた。
折りしもその車内で奇怪な連続殺人事件が発生する。
まずはソ連の高官ポロノスキーが毒殺された。次にオランダ人女優のグレタと
契丹人の李蘭がどこかへ姿を消し、さらには車掌までもが殺害されてしまう。
犯人解明に乗り出す山下一行であったが、その先には戦争が生み出した
悲惨な運命が待ち構えていた・・・。
6月10日、映画評論家、映画監督の水野晴郎氏がお亡くなりになりました。
昔、僕が子供の頃はこの水野晴郎さんと淀川長治さんが
映画番組の解説をなさっていて、まだまだ小学校いくかいかないかの僕にとっても
映画が始まる時のお二方の喋りは非常に楽しかった思い出があります。
親から「早く寝ろ」と言われて、いっつも途中で眠らされてしまいましたから、
映画が終わった後のおしゃべりの方はなかなか聞けなかったんですけどね。
自分が小さい頃から知っていた人が亡くなるというのは非常に悲しいものです。
今回の「シベリア超特急」は本来ならもう少し後の方で取り上げるつもりでしたが
今回の訃報を受けまして、予定を変更してレビューさせて頂きました。
確かにこの作品、巷で言われている通りのひどい作品、まあいうなればB級映画です。
水野氏の演技はもはや演技とはいえないぐらいの代物
「ぼるしちも けっこう うまかったぞー」「ひっとらーは、しんようでけん ましてすたーれんはな」
「あいがったぷるう!」
など、次々と飛び出す名台詞いや迷台詞の数々
完全に自己満足の域に達しているヒッチコックやデ・パルマのオマージュ及びパロディ
(あまり関係ありませんが、僕は以前から
水野氏のあのぽっちゃりした体型はヒッチコックへのオマージュだと思っていました。)
一瞬銀河鉄道かと見間違うほど、ピクリとも揺れない列車。
観客どころか脚本書いた水野氏自身も「途中で良く分からなくなったのでは?」
と思ってしまうほど、色んなところが破綻しまくったシナリオ
そして、あわや観客を無限の宇宙へ放り出してしまいそうな程に素晴らしい衝撃のドンデン返し
まあ、とにかくものすごい作品なんですよ、悪い意味で。
しかし!僕はこの「シベリア超特急」シリーズが大好きです。
なぜなら、そこには水野氏の溢れんばかりの映画愛が込められているから。
確かにこの映画、自己満足のために作られています。
制服マニアでヒッチコック大好きな水野氏が、自分の欲望を満たすために作られたのでしょう。
でもその自己満足の突き進んでいた方向、僕は決して間違っていたとは思えません。
それはちゃんと「映画」という大きな大きなキャンパスボードに対する賛辞が含まれていました。
「私はこういうことがしたいから映画を撮ったんだ」という、ある種の変態的な情熱に溢れていました。
中途半端な超大作にはない「何か」があったんです。
その「何か」はまさに「シベリア超特急」という「水野晴郎宇宙」から作り出されるものなのです。
「シベリア超特急」シリーズの熱狂的なファンはその「何か」に惹かれるのでしょう。
「映画とは、あらゆる人間の欲望が混ぜ合わさってできた小さな宇宙である。」
この作品はそういうことをわれわれに教えてくれたのではないか、と思います。
何やら変なことを書いてしまいましたね。
僕自身、途中で意味がよく分からなくなってきました。
最初にも書きましたが、昔から知っている方々が亡くなるというのは
本当に悲しいことです。
最後になりましたが、映画評論家、映画監督の水野晴郎氏に対し、改めて哀悼の意を捧げます。
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