![]() | ヤン・シュヴァンクマイエル 悦楽共犯者 ヤン・シュヴァンクマイエル (2005/02/23) コロムビアミュージックエンタテインメント この商品の詳細を見る |
1996年 チェコ
監督:ヤン・シュヴァンクマイエル
出演:ペトル・メイセル ガブリエラ・ヴィルヘルモヴァー
【あらすじ】
六人の男女がいる。
鳥の被り物を作る若い男、その若い男に見立てた人形を作る中年女、
謎の装置の製作に励む本屋の男、パンの中身をくりぬき、丸めたものを集める郵便配達の女、
毛皮やブラシを集めるひげ面の男、鯉に餌をやるニュースキャスターの女
彼らは皆、自分の要求を満足させるための”自慰器具”を作っているのだ。
チェコのシュルレアリスト映像作家、ヤン・シュヴァンクマイエルの第三回長編作品にして、
最もぶっ飛んだ内容の映画です。
話は至って単純。
六人の男女が自分の要求を満たすためにそれぞれの要求に見合った「自慰器具」
(あれですね、大○のオ○チャ)を作っちゃうというお話。
そんな話を約90分間の映画にしちゃった所が
このシュヴァンクマイエルの凄いところ
他のシュヴァンクマイエル作品ほど多くは使われておりませんが、
彼独特のアニメーションも素晴らしくて、人形なんかは
本当に生きているように見えます。
普通のビデオ屋ではおそらくレンタルすることができないし、
はっきり言ってネタバレして損をするような所も無いと思うので、
今回はネタバレありの方向でレビューします。
【登場人物】
ピヴォイネ

一応主人公、気の弱そうな青年。
人気の無い山里で鶏に見立てた被り物と傘で作った羽を装着して鶏人間となり
隣人のロウバコヴァに見立てた藁人形を虐待する。
彼が中心となるシーンでは落ち着いた感じの交響曲が流れる。
ロウバコヴァ

娼婦っぽい格好をした中年の女性。隣人のビヴォイネに好意を持っている?
さびれた教会の中でビヴォイネ人形相手にSMプレイを行う。
彼女が中心となるシーンでは、神聖な感じの曲が流れる。
アナ

夫との冷えた関係に嘆くニュースキャスター。
鯉に足を加えさせて快楽を味わう。しかもわざわざニュースの放送中に
ちなみに彼女を演じているのは本物のニュースキャスター
出演に至る経緯は謎らしい
彼女が中心となるシーンでは悲しげな感じの曲が流れる。
クラ

雑誌屋を経営している冴えない感じの親父。
大好きなニュースキャスター(アナ)がテレビに映ると
ハンドメイドの抱きつきマシーンを作動させ、
擬似セックスをすることで快楽に浸る。
彼が中心となるシーンでは軽い感じの曲が流れる。
ヴェトリンスキー

ヒゲと流し目がチャーミングなナイスガイ、管理人のお気に入り。
キャップに短パン、リュックサックという小学生みたいな服装も素敵。
職業は刑事となっているが、指キャップを万引きしたり
側にいた女性がつけていた毛皮をカミソリの刃で切り取っちゃったり
とてもそうだとは思えない。
そんな彼は触覚フェチ、板切れや麺棒に毛皮だの指キャップだのブラシだの打ち付けた釘だのを
貼り付けて、自分の体を擦ることで快楽を得る。
彼が中心となるシーンでは壮大なオペラ(男性のソロ付き)が大音量で流れる。だが、そういったシーンでは大抵彼は間抜けなことをしているので、そのギャップに思わず爆笑してしまう。
ちなみにアナは彼の妻である。
マールコヴァ

郵便配達員。パンの中身をちぎって丸めたものを
鼻から大量に吸い込み、一晩経ってからまた噴き出すことを快楽としている。
ピヴォイネにロウバコヴァからの手紙を渡したり
アナにパンをあげたりするキーパーソン的な人物。
物語はこの七人が自分のための自慰器具を作り、完成したそれを使用することで快楽を得るという
単純と言えば単純な話なのですが、その自慰器具があまりにも変すぎるんです。
だって、
鶏の物真似をして隣のオバチャンの人形を虐め回すとか

変態鳥男

その犠牲者(人形)
人形相手にSMプレイとか

SMおばちゃん

その犠牲者(人形)
鼻からパンのかたまり何十個も吸い込むとか

ズズズー

フンガッ!
テレビ出演中にわざわざ鯉の入った盥を足元に置いて喘ぐとか

鯉

注:生放送中です
わざわざ大層な機械作ってニュースキャスターと抱き合う真似事とか

抱き合う男とエロマシーン

ブチュ
いろんなものをつけたブラシで体を擦るとか

恍惚の表情
普通考えませんよ。
でも、それをやっちゃうのがチェコを代表するシュルレアリストであるシュヴァンクマイエルの凄さ。
ある意味残酷な結末とタイトルの意味に深い感銘を受けるもよし、
登場人物の奇天烈な行動に笑うもよし、
とにかく、最高に変な映画を観たい!という人にはオススメです。
あ、でもエロは期待しないように
せいぜいおっさんの生尻が映るぐらいですから
ストーリー ★★★★(非常に独創的なストーリー、前半はやや単調か)
スリル (ほぼ皆無)
オバカ ★★★★(素晴らしいオバカ映像、芸術とバカは紙一重)
グロ ★★(見る人によっては独特のアニメーションが気持ち悪いかも)
テーマの深さ ★★★(ああ、なるほどなあ、といった感じ。そんなに難解ではないですよ)



