【あらすじ】
教会のくじ引きで一等を引き当て、カンヌ一週間の旅とデジカメを貰ったビーン。
さっそくフランスへと旅立つが、ビーンのわがままが原因で
カンヌ映画祭で審査員を務める予定だったロシアの映画監督ドヘフスキーと
その息子ステファンをはぐれさせてしまう。
言葉の通じないステファン、そして映画女優のサビーヌと共にドタバタ騒ぎを繰り広げながらカンヌへと向かうビーンだったが、
その怪しい行動が原因でフランス中に誘拐犯として指名手配されてしまい・・・。
数年の歳月を経て久しぶりに製作された、Mrビーンの新作にして
最後の作品(となる予定)です。
「ロッキー」や「ダイ・ハード」と言った過去の作品の続編がそれこそ続々と公開された中、
この作品もお正月を少し過ぎた時期にひっそりと公開され、大して話題にもならずに
ひっそりと上映が終了しました。
かつてハリウッドの劇場版「ビーン」が公開された時には大変な盛り上がりで、
どこの放送局でもビーン特集が組まれ、デパートではデディベアが山積み
小学生だった僕も大勢の人が詰め掛けたシアターの中でそれを観た記憶があるのですが、
もはや現在の日本ではビーンことローワン・アトキンソン氏はすっかり
「あの人は今!?」級の過去の人となってしまったようです。
おそらく、
「Mrビーンって生きてたの?」なんて事をのたまう人も大勢いるでしょう。
しかし、ローワン氏は一部の方が思っているような
”1発屋”ではないんです。
ジョン・クリーズやウーピー・ゴールドバーク等と共演した「ラットレース」
ちょっぴりブラックなポリスドラマ「シン・ブルー・ライン」
マルコヴィッチも出ている爆笑スパイコメディ「ジョニー・イングリッシュ」
そしてイギリス流ブラックジョーク炸裂のテレビドラマ
「ブラックアダー ~大英帝国一のアホ、ブラックアダー」
(DVD発売してください・・・。)と、「ビーン」シリーズ以外にも様々な作品に出演しており、イギリスを代表するコメディ俳優の一人なのです。
さて、そんなローワン氏が久々にビーンを演じた本作、どんな具合になっているのか
と言いますと・・・・。
前作(?)のハリウッド版「ビーン」では、ややアメリカナイズされたビーンに対して
ファンの皆さんの間では「こんなのはビーンじゃない」とあまり良い評価得られませんでした。
(あれはあれで好きですけど)
ハリウッド的なテイストを加えたがために、ビーン本来の面白さを殺してしまった「ビーン」に対し、
今回の「カンヌで大迷惑?!」は従来のビーンの面白さを残しながらも、
ハリウッドとは一味違う要素を加えています。
それは何かと言いますと、フランス映画のテイスト
それもジャック・タチの映画のような、ゆったりとした雰囲気が特徴的な
良い意味で「ユルさ」を大事にした、古き良きコメディ映画の味です。
元々ビーンというキャラが、ジャック・タチ映画の「ユロ伯父さん」の影響を受けているため
この二つの要素が上手い具合に融合し、非常に上品でほのぼのな雰囲気を醸し出しながらも
ブラックな笑いを繰り出してくる、何ともニクい作品に仕上がっております。
そして、ストーリーの要となる「言葉の壁」と「デジタルカメラ」
ひょんなことからビーンと共に旅をすることになるステファンはロシア人
更に途中から行動を共にするサビーヌはフランス人、お互い会話が
通じないので、身振り手振りで物事を伝えたり、時にはビーンが適当に
相槌を打ったりすることで(それが原因で誤解を生んだり)コミュニケーション
を取ります。
言葉よりも動きで笑わせるビーンらしいですね。
そして重要なのが、ビーンが持ち歩いているデジタルカメラ
カンヌ旅行と一緒に当てたデジタルカメラ、面白いものが大好きなビーンは
肌身離さず持ち歩き、色んなものを片っ端から撮りまくります。
一見ただの一アイテムにしか見えないこのデジタルカメラ、終盤で大活躍します。
今までの道のりを一切無駄にしない、非常に良い活躍の仕方です。
そして忘れちゃいけないのが、大物監督を演じる怪優ウィレム・デフォー
今回は自分大好きナルシスト監督をいかにもな
「業界人的嫌な人」といった感じで、
ささいな動きの隅から隅まで熱演します。
彼の作品「プレイバック・タイム」は分かる人には爆笑モノのネタです。
南フランスの美しい風景とビーンのお笑いが程よくマッチしたなかなかの良作です。
劇場版「ビーン」にがっかりした人、最近のやかましいだけのお笑いに辟易している人
是非ご覧下さい。
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