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うまい棒めんたい味の如く映画を語る うまい棒めんたい味の如く映画を語る 20080304

うまい棒めんたい味の如く映画を語る

ちょっぴり辛く、どちらかと言うと甘い感じで 映画をレビューしていきます。 ホラー、サスペンスが中心です。

第六十四回映画レビュー「ドッペルゲンガー」

ドッペルゲンガー ドッペルゲンガー
役所広司、永作博美 他 (2004/04/23)
アミューズソフトエンタテインメント
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【あらすじ】
介護用人工人体の開発に励む研究者早崎は頑固者で完璧主義者。
自分の研究が上手くいかないことに悩んでいた。

そんな彼の前にドッペルゲンガーが出現した。
自分勝手で自由奔放な分身は好き勝手に暴れまわって早崎を困らせるが、
一方で分身は研究に協力的な姿勢を見せ、彼の研究もあって
人工人体の開発は軌道に乗りはじめた。
だが、早崎は品の無い分身を疎ましく思うようになり・・・・・。






ある日突然現れたドッペルゲンガーに悩まされる男を描いた
黒沢清監督の作品。





これ、ジャケを見た感じではホラーとしか思えないんですが、
実はコメディです。

ホラー的な演出を入れながらも、話の流れはコミカルタッチです。
さしずめ、ちょっぴりブラックなホラーコメディって感じでしょうか。




真面目にホラーしてるのはオープニングから4〜5分だけです。

ホラーだと思ってレンタルしちゃった人はまず間違いなく
で登場するまんまモ○ンタイ○スな人工人体に「あれ?」と首をかしげて
その後気さくに話しかけてくる主人公のドッペルゲンガーでズッコケるでしょうね。

でもここで「ホラー映画じゃない!観るのやめた!」といって
レコーダーからDVDを引き抜いちゃうのは勿体無いですね。
ちょっと変わった作品なので、騙されたと思って最後まで観ていただきたいです。
それでつまらなかったと感じても責任なんか取れませんし、謝罪もしませんけどね。





ドッペルゲンガーに悪戦苦闘するのは黒沢作品の常連役所広司
頑固一徹な主人公と自由奔放な分身の二役(?)を見事に演じ分けています。

主人公と分身の会話シーンでは、VFXでの加工やダブルでの演出のほかにも
ブライアン・デ・パルマを思わせる画面分割などを利用して
おもしろーく演出しております。



あ、そうそう。黒沢監督の映画について書くのは今回が初めてなので、
黒沢作品を楽しむためのお約束のようなものを



黒沢清監督は作品の持つテーマやメッセージをやや前面に押し出すタイプの人で、
「あれっ?ここでこうするのは変なんじゃないの?」と思った登場人物の行動も、
そういったテーマ性から考えるとその理由が分かる、といったことがよくあります。

簡単に言えば、
合理性や現実味よりも、その作品のテーマやメッセージを描くことに比重を置いているといった感じです。


だから観ている側としては、登場人物のちょっぴり現実的でない行動について
「ここは普通こうするだろ?」と食って掛かるよりも、
「ははん、ここではこういった事を言いたいんだな」
というような軽い気持ちで観た方がより黒沢作品を楽しめると思います。

(それを理解した上で、ツッコミを入れて笑うのもOKです。)






で、この作品のテーマは何かと言うと、
「人は自分の本性を受け入れるべきか?」
ということだと思います。




主人公の早崎は頑固一徹の大真面目男。
でもその頑固さゆえに気苦労ばかりで研究もうまくいかない。
重役になったら儲かるよと言われた事に腹が立って
「俺は俺のために研究を続けてるんだ!」と言い返したりしますが、
その「俺のための研究」が全然出来てません。





ところが突然現れたドッペルゲンガーときたら、

会社で大暴れをするわ(そのせいで早崎はクビ!)

部下の女の子とヤッちゃうわ

しまいにゃ現金強奪するわ(盗まれた人はシャベルでおもいっきり頭を殴られました。
                 多分死んだと思います。

もうやりたい放題。






怒る早崎に対して
分身は「おまえのやりたいことをやってるだけじゃないか」と言い返します。

そう、乱暴でドスケベで自己中な分身は早崎の本性が具現化したものであって
分身は普段早崎がやりたくてもやれないで抑えていることを代わりにやってるというわけなんです。

それに、分身は早崎にとって不都合なことは何一つしません。
どんなに無茶苦茶なことであっても、結果は全部早崎にとって都合の良い方向に働きます。

仕事を首になった件についても、結局それで職場でのストレスを気にすることなく
人工人体の開発ができるようになったので、良い方向に働きました。





そんな分身の献身的な(?)支援もあって、人工人体の開発は
ぐんぐんと進んでいきますが、早崎は分身の存在が気に入りません。

あの乱暴でドスケベで自己中な男が自分の本性だということも気に食わないし、
(自分では理解していながら)

なにより分身の横暴な行動が全て結果オーライに繋がって
それに自分が助けられているということに腹が立って仕方がないんです。



こうした早崎の考え、そして後半で早崎が取った行動は
自分の中にある欲望に忠実な”自分”の否定」を表していると思います。



「お金が欲しい!」とか「あの娘(男)と付き合いたい!」なんて
ほぼ全ての人間が心の底で考えてることだと思うんです。

でも、大抵の人はそれを隠し通して人と接するわけですよね。
それで「あ〜、理想とかどうでもいいからお金がほしい!」なんて言ってる人を
軽蔑したりしちゃう。
それで、そういう人間が成功したりすると物凄く腹が立ちますよね。
「あんなに品のないやつが〜」って感じで



この作品ではそういった「欲望剥き出しの自分、すなわち本性」を
曝け出して生きるべきか、はたまた隠し通して生きるべきか、
そういうテーマを扱っていると思うんです。
(あくまでも個人的な考えですよ!)



で、結局はどちらがいいのか
それは結末でさりげなく語られます。





なんだか長々としょうもない理屈を語ってしまいましたが、
ただボーッと観ているだけでも楽しめる作品だと思いますので、
軽い気持ちでどうぞ。
ちょっと残酷なシーンがあるので、そこらへんはご注意を




ストーリー ★★★
スリル   ★★
オバカ   ★★★★
グロ    ★






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