うまい棒めんたい味の如く映画を語る

ちょっぴり辛く、どちらかと言うと甘い感じで 映画をレビューしていきます。 ホラー、サスペンスが中心です。

第二十回映画レビュー「ファウスト」

ヤン・シュヴァンクマイエル ファウスト ヤン・シュヴァンクマイエル ファウスト
ヤン・シュヴァンクマイエル (2005/02/23)
コロムビアミュージックエンタテインメント
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【あらすじ】
道端で地図を受け取ったとある男。
まるで誘われるかのようにその場所へ向かうと、
彼は「ファウスト」の登場人物ファウスト博士となり、
何者かに操られるようにして悪魔メフィストフィレスを
呼び出し、悪魔の契約を交わしてしまった。




チェコの鬼才、ヤン・シュヴァンクマイエルの第二回長編作品。




得体の知れない何者かによって、
奇妙な世界に引きずり込まれてしまう男の物語です。

この作品を理解するためには、
日常のちょっとした体験に照らし合わせて観ることが重要です。





例えば、机に座って何時間も仕事をしたつもりなのに、
時計を見ると30分しか経っていなかった、とか
またあるいは、普段の自分なら絶対しないようなミスを
連続で犯してしまった、とか

こういうようなことは「単なる偶然」や「自分の意識の問題」で
済ませることもできるのですが、
一度はこういった考えをしたことはありませんか?




「見えない誰かが意地悪して時間を戻したんだ」
「見えない誰かが手を引っ張ってミスさせたんだ」





勿論こういった考えでは現実においては馬鹿馬鹿しいものなのですが、
この映画はその「見えない誰か」が実際にいて、彼らの戯れに翻弄させられる男の映画なのです。



ファウストメフィスト召還
メフィストフィレスを召喚する主人公





もっと極端に言えば虫カゴの中の虫を描いた映画と観て頂いても構いません



そして、男が引きずり込まれてしまった世界、
これがまた奇妙な世界なんですね。




そこはまるでどこかの劇場の舞台のようで、
観客席にはちゃんと観客がいるんですけど、
一体どこから集まってきたのかは全く不明。

しかも、どうもその観客席の外にも世界は広がっているらしく
野原のような場所に出ることもしばしば



ファウスト舞台の主人公
舞台に立たされる主人公



ファウスト観客
謎の観客




しかも、主人公、観客とごく一部を除く
ほぼ全ての登場人物がなんと等身大のマリオネット。
それが一人でに喋るんです。



ファウスト舞台
喋る人形達




主人公の召使や道化師(このキャラが非常に面白い)はともかく、
悪魔の長ルシファーやそれを阻止する天使までもが人形です。

なぜか彼らが登場する時は、どこからともなく首が転がってきて
舞台袖にある胴体と合体してから登場します。
やっぱり特別な存在ですから、普通の出方じゃ駄目なんでしょうかね



ファウスト天使首
天使ゴロゴロ



ファウスト悪魔首
悪魔ゴロゴロ


彼らは造型のせいもあってかなり不気味なのですが、
その行動はユーモラスで憎めなかったりします。

しかし、彼らがいる上の方を見てみると、
何者かの手が彼らを糸で操作してるんです。
この奇妙な世界を支配する者の手でしょうか
神である彼らもまた、何者かに操られているのです。



ファウスト手
何者!?


やがて主人公も彼らの糸にかかってしまい、
操り人形のようになっていきます。
というより、なぜか自分そっくりの木のお面を被って人形になりきります。

この世界に順応したということなのでしょうかね。



ファウスト天使軍団
人形化した主人公と天使達


そんな感じで男は怪しい世界に
引き込まれながらも、だんだんと馴染んで行くのですが
やがて運命の時が。



メフィストとの契約に従い、
魂を売り渡さなければならない時が来たのです。
男は用心棒を雇い、悪魔達からなんとか逃げ出そうとしますが・・・



ファウストルシファー軍団
迫るルシファー軍団




独特なストーリーだけでなく、
シュヴァンクマイエルお得意のアニメーションや、
奇怪な演出も見ものです。



ファウスト赤ん坊
生きているかのような粘土の赤ん坊






この作品、一連のシュヴァンクマイエル作品の中では
比較的レンタルビデオ屋で取り扱われていることが多いので、
一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。




ストーリー ★★★★
スリル   ★★★
おバカ   ★★★
グロ    ★★★
人形の気持ち悪さ ★★★★ 








シュヴァンクマイエルの世界


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