うまい棒めんたい味の如く映画を語る

ちょっぴり辛く、どちらかと言うと甘い感じで 映画をレビューしていきます。 ホラー、サスペンスが中心です。

ロドリゲス&タランティーノの「グラインドハウス」を観ました

TOHOシネマズなんばで鑑賞
パンフレットが売り切れていてどうしようかと思っていたけど
入場時間ギリギリで入荷されてホッと一息


いや、これすごいですよ。
雑誌の記事とか読むと単なる二本立てに見えるんですけど、実際に見てみると
もうなんといいますか、映画全体がグラインドハウスの雰囲気を出そうとしてるんですよ。
フィルムに入ったノイズや傷を再現してみたり、合間にニセモノのZ級映画の予告編が入ったり、
(しかもそれを作っているのはロブ・ゾンビやイーライ・ロスなどのビッグネーム!)
怪しいレストランの宣伝が入ったり、しまいには映画の途中で映像が切れちゃったり
遊び心が大暴走してます。

さて肝心の内容の方なんですけど、これがまた両方とも面白い。

ロバート・ロドリゲス監督の「プラネット・テラー」は謎の病原菌に犯されてゾンビっぽくなった
人々が襲ってくるいかにもなB級スプラッター映画。

もうロドリゲスの悪ふざけがすごいことになってます。
ロッズ・マッゴーワン扮する姉ちゃんはちぎれた片足に銃をつけて戦っちゃうし
その恋人はアクロバティックなアクションで片っ端から感染者をなぎ倒すし
特殊メイクの神様トム・ザヴィーニも出てたりなんかして、もうお腹いっぱい

でも、グロい描写がかなり多いのでそれ系が苦手な人は注意。

もう一つの映画は、クエンティー・タランティーノ監督の「デス・プルーフ」
若い女を自動車で殺害することに性的快感を覚える殺人鬼のお話。
そんな変態殺人鬼を演ずるのはなんとカート・ラッセル

この作品、中盤あたりはターゲットとなる女子グループのくだらない会話が
延々と続いて少しダレてきちゃうんですけど、
後半、殺人鬼の襲撃をきっかけにいきなりド派手なカーチェイスシーンが!
もうここまでやっちゃったら本来グラインドハウスで上映されるレベルの映画じゃないだろ
とか考えちゃうほどの大迫力です。

なんたって、スタントウーマンの役を演じているゾーイ・ベルは本物のスタントウーマン
そんな人がノースタントで走る車のボンネットにしがみついてむちゃくちゃに
振り回されたりしちゃうんですよ。
車同士のぶつかり合いも思い切りやっちゃってくれます。

そしてラストは・・・・、これには爆笑してしまいました。
だって、あのカート・ラッセルがこんな台詞を言うなんて(笑)



グラインドハウス映画入門 /



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テーマ:グラインドハウス - ジャンル:映画

第十八回映画レビュー「13日の金曜日 完結編」

13日の金曜日 完結篇 13日の金曜日 完結篇
キンバリー・ベック、E・エリック・アンダーソン 他 (2007/08/24)
Paramount Home Entertainment(Japan)Limited(CIC)(D)
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1984年 アメリカ
監督:ジョセフ・ジトー
出演: クリスピン・グローヴァー  キンバリー・ベック  コリー・フェルドマン




【あらすじ】
恐怖の惨劇から一夜が明けた。頭部に斧を叩き込まれた殺人鬼ジェイソンの遺体は
死体安置所に運ばれたが、彼はまだ死んではいなかった。
職員二人を殺害したジェイソンは再びクリスタルレイクへと舞い戻る。

一方その頃、クリスタルレイク周辺のキャンプ場へ、特殊メイクマニアのトミー少年と
その家族がやってきた。たまたま同じ時期に遊びにきていたキャンパー達や
熊狩りにきたという青年ロブとすっかり仲良くなり、キャンプを楽しむトミー達
だがしかし、ジェイソンの刃はすぐそこにまで迫っていた・・・・。







えー、皆さんも多分お解りだと思うので、わざわざ言う事でもないのですが・・・・

この作品、「完結編」と釘打たれておりますが、もちろん完結しません!




邦題だけではなくて、原題の方も「final chapter」となってるところを見ると
おそらく、製作段階では本当に最終作として作られたんでしょうけど、
お上に終わらせて貰えなかったんでしょうね。
なんか、某ジャンプ系格闘漫画の「もうちっとだけ続くんじゃよ。」を彷彿とさせますね。





まあそんな些細なこと(?)は置いといて、
この映画ではなんとジェイソンが死んじゃいます!

三作目のような「大怪我をしたけど、実は生きてたんだよ〜」というのじゃなくて
本当に死にます!





「なるべくネタバレ禁止」の札を掲げときながら
いきなり浜村淳ばりのネタバレ(関西地方の方限定のネタ)をしてしまいました。





何故かと言いますと、この作品は
「人間としてのジェイソンの最後の作品」として見て頂きたいんです。
もちろんこの後もシリーズは続くんですけど、
出てくるジェイソンは凶悪なサイコキラーではなくて
どちらかというと、不死身のモンスター的なものなんですね。
(五作目除く)






今までのジェイソンも怪物的な体力を
兼ね備えていたりはしてましたけど、
シリーズ後期のジェイソンと比べると、
やっぱり不意打ちが多いというか
なるべく反撃を受けないような戦法を取ってるんですね。





そんなジェイソンのファイティング(?)スタイルが
大きく変わってしまう一つ前(正確には二つ)前の作品としてみると
シリーズ全体としては最終作ではないんだけど、
やっぱりある意味「完結編」なのかな、とか思っちゃうんですね。
(別に後期シリーズを批判しているわけではありませんよ)





だから、この四作目を13金シリーズにおける一つの「区切り」として見て頂きたいと思っております。






さて、この完結編の見所は、何といっても特殊メイクの神様、
トム・ザヴィーニによる
強烈なスプラッターシーンの数々





一作目でも特殊メイクを担当したトム・ザヴィーニですが、
今回は血糊の量も
殺し方もエグさも大幅にグレードアップ!

頭は少し弱いけど気のいい兄ちゃん姉ちゃん達は為す術も無く惨殺されていきます。





その残忍な殺害方法の数々はジェイソンの
殺人鬼としてのキャラクター性に大きく貢献しております。

シリーズ全作品の中でも、この四作目のジェイソンが
一番迫力に満ち溢れているのではないでしょうか。
僕はそう思います。





そして、シリーズ中盤のキーパーソンとなるトミー君の登場。




このトミー君、今回クリスタルレイクで
キャンプなんかしちゃったもんだから、
ジェイソンに人生を狂わされてしまう可哀想な子なんです。

この後の五作目、六作目の二つは彼とジェイソンの対決を描いた話
そのきっかけとなったのがこの四作目なんですね。





今回のジェイソンの死にも重要な役割を果たすんですけど、
どういったものなのかは本編をお楽しみに

ちなみに、演じているのは「スタンド・バイ・ミー」の
コリー・フェルドマン







個人的にはシリーズ最高傑作ですね。
とにかくジェイソンがやりたい放題やってくれますから

でも、もし13金シリーズがこの作品で終わっていたら
どうなってたんでしょうね。
「ジェイソン=ホッケーマスク+チェーンソー」の
誤解も生まれなかったかも







ストーリー ★★★
スリル   ★★★★
おバカ   ★★★
グロ    ★★★★
ジェイソンの倒され方の意外性(ズッコケ度?) ★★★★★





ジェイソン 1/1スケール バスト その他



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テーマ:私が観た映画&DVD - ジャンル:映画

第十七回映画レビュー「スーパーの女」

伊丹十三DVDコレクション スーパーの女 伊丹十三DVDコレクション スーパーの女
宮本信子、津川雅彦 他 (2005/09/22)
ジェネオン エンタテインメント
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1996年 日本
監督 伊丹十三
出演 宮本信子 津川雅彦


【あらすじ】
ダメダメスーパー正直屋のオーナー小林五郎は、隣にできた
激安スーパーの安売り大魔王に客を取られて困っていた。

そんなある日、五郎は小学校時代の幼馴染、井上花子と再会する。
安売り大魔王のインチキぶりを五郎に指摘していく花子、
五郎は彼女をレジチーフとして雇い、正直屋の建て直しを手伝ってくれるように頼む。
様々な試みを繰り返し、店を改善しようとする花子であったが・・・。




故伊丹十三監督による、スーパーの建て直しをめぐるドタバタ社会派コメディです。
安土敏の「小説スーパーマーケット」が原作となっております。




この作品、スーパーマーケットの裏側で行われている
あんなことやこんなことを真っ向から暴いた映画として有名ですよね。




実を言うと、僕もスーパーマーケットでアルバイトをしていまして、
あんまりこういうことを言ってはダメなんでしょうけど
なんだか、この映画に出てくる正直屋と似てるっていうか・・・。
さすがにマスコミで散々取り上げられた肉の産地偽造はやってないと思いますけど、




時々魚から赤い汁のようなものが出てたり



スーパー魚のつゆ

汁の名前も言ってたけど失念


ゴミがところどころに散らばってたり


スーパーゴミ

野菜くずが落ちてたことも・・・


赤い証明で肉を新鮮に見せかけてみたり・・・


スーパー肉の明かり

千と千尋もびっくり



昨日の割引価格が修正されずに次の日まで残っていることなんて日常茶飯事で・・・







あ、いや、全部のスーパーマーケットさんがこういうことを
やってるってわけではないですよ。
ただ、こんなことをやってるところ見つけたよ〜ってニュアンスで受け取って下さいね。



さて、このまま話し続けるのもあれなのでここら辺で置いといて




主人公の井上花子はオンボロスーパーの正直屋を立て直すために色々なことをやるんですけど
その中でも個人的に一番感心したのが、試食会の開催。




客商売っていうのはお客様第一っていうのがモットーです。
でも、そのお客さんの声っていうのは、クレームやお褒めの言葉とか、大抵一方的で
なおかつそれを聞く機会が偶発的すぎて、参考になるものはそりゃああるけど
店の発展のために得られる情報としては満足のいかないものが多かったりすると思うんです。


そこで、店の発展のための情報を得るための方法として、
試食会にお客さんを招待する。

そこでは店員と客が時間に余裕のある話し合いをすることができて、
お客さんからも「ここはもっとこうしたほうがいい」と
いう建設的な意見がもらえたりする。
こういう取り組みって、結構大事だと思うんですね。



スーパー試食会

惣菜試食会



そんな感じでお客様の意見を取り入れながら、店をどんどん建て直していくんですけど、
最後にして最大の障害となるのが、精肉や鮮魚を担当する職人気質の人たち。




彼らは自分達の腕を誇りとしていて、確かに腕は立つんですけど
あまりにも頑固すぎて、逆に店の足を引っ張ってしまってる。


おまけに、こだわりがある癖に、古い揚げ物を丼物にしちゃったり、
和牛と輸入肉のブレンドとか姑息なことは平気でやる。
しかもそれを指摘されると「素人に何がわかる!」の一点張り。
しかも、花子を疎ましく思ってる店長と結託しちゃうから、もう性質が悪い。



スーパー肉加工

平気で肉をブレンドする肉職人、プライドはどうした?



そんなこんなでスーパーの裏事情を暴きながら話は進んでいくんですけど、
全体的には悪い奴等を懲らしめていくという感じの
単純明快、かつ痛快なストーリーです。



欠点としてはラスト部分、物語が急に終わった感じを受けてしまうところ




最後の方でやや長めのカーチェイスがあるんですけど、それのせいで
その後の展開がちょっぴり強引な感じがしました。





後、ややご都合主義的な展開はありますけど、これがないとそもそも話
が進まないので
欠点には含まれないということで






この映画はスーパーでアルバイトをする以前から好きだったんですけど、
はじめてからはもっと面白く見られるようになりましたね。
やっぱり現実のスーパーの裏側も見るようになったからでしょうかね。





ストーリー ★★★ 
スリル   ★★★
オバカ   ★★★
グロ    
スーパーの裏側のリアリティ ★★★★





追記
このレビューを書くためにgoogleで検索をかけてみたんですけど
こちら



どうやら実際のスーパーの研修資料としても使われているようで・・・
これにはちょっとびっくり






小説スーパーマーケット その他




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テーマ:映画 - ジャンル:映画

第十六回映画レビュー「ドッグ・ソルジャー」

ドッグ・ソルジャー デラックス版 ドッグ・ソルジャー デラックス版
ショーン・パートウィー、ケヴィン・マクキッド 他 (2003/12/21)
ショウゲート
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2002年 イギリス

監督:ニール・マーシャル
出演:ケヴィン・マクキッド ショーン・パートウィー

【あらすじ】
主人公のイギリス人兵士ポールは特殊部隊の試験を受けるが
ライアン大尉の課した冷酷な課題をこなすことができず、
元々所属していたウェルズ軍曹の小隊へ戻る事となった。

一年後、彼らの小隊はスコットランドの山中で
特殊部隊との軍事演習を行っていた。
あるとき、特殊部隊からの救難信号を捉えた小隊がその場所へ向かうと、
特殊部隊は負傷したライアン大尉を残して壊滅していた。
その直後、何者かが彼らを襲う。
その姿は伝説上の人狼(ワーウルフ)そのものであった。
重症を負ったウェルズ軍曹を庇いながら、
たまたま通りかかった生物学者の車によってその場を振り切り
近くにあった民家へ逃げ込むことができた。だが、周りは既に数多くの人狼に取り囲まれていた。




洞窟ホラー映画、「ディセント」で管理人のハートを鷲掴みにしたイギリスの鬼才、
ニール・マーシャル監督の低予算ホラー作品です。




軍隊VS未知の生命体というと、アーノルド・シュワルツネッガー主演の「プレデター」が
思い浮かびますが、「プレデター」のように密林を中心とした戦いというよりも、民家に立て篭もった
軍隊と、それを襲撃する人狼といったような話なので、「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」や
「死霊のはらわた」の方が近いかもしれません。
(実際、「ナイト〜」に非常によく似た展開がありますし)







この手の映画では大抵モンスター側の方が圧倒的に強い場合が多いのですが、
この映画では主人公が軍人、すなわち戦闘のプロ。
銃をぶっ放すのはもちろんのこと、
身の周りにあるものを武器にして対抗してくれたりと、
人狼相手でもなかなかの戦いっぷりを見せてくれます。

ありがちな、しょうもないミスをして仲間を危険に追い込むアホな人物がいない、
むしろ、皆動きがテキパキしてて賢そうなのも好印象。



ドッグ武器調達

武器を調達する隊員


ドッグお湯

こんなものまで?




でも、人狼は主人公達よりも更に強い。
タフガイですばしっこいのはもちろんのこと、頭もかなり良くて
一匹がおとりになっておびき寄せてる間に侵入するといったチームプレイや
わざと弾を無駄遣いさせるような頭脳プレーもお手の物です。




ドッグ狼男

わりかしスマートな人狼さん






早い展開の中で、キャラクターが描かれているのも高ポイント



こういったB級ホラーはアクションが重視されがちで、キャラクター作りに関してはおざなりに
なってしまって、ただの死に要員的な人物が出てくる場合が多いんです。

でも、この作品では会話の内容や行動に
特徴を持たせることによって、登場人物それぞれに簡単な個性を持たせています。
(といっても、実は一人だけ明らかに死に要員的な人がいるんですけど)




加えてニール・マーシャル監督お得意の痛い描写。
最新作「ディセント」でもこれでもかというほどの痛々しい描写をやってのけましたが、
今回も低予算ながらなかなかやってくれます。





特に、逃げ込んだ民家で飼われていると思われる犬が、お腹でも空かしていたのか
ウェルズ軍曹の○臓を食べようとして、○腸を加えて引っ張りだそうとするシーン小さい文字
痛いと思いながらも苦笑してしまいました。




ドッグピンチ
狼男の剣を必死に食い止めようとするポール







何分低予算なもので、よーく見てみると安っぽいという感はあるんですけど、
ストーリー展開が非常によいのでそのような些細なことは気になりません。
細かいところに伏線があって、それがちゃんと活かされているのも良く
B級映画好きならなかなか楽しめる出来だと思います。




欠点をあげるとすれば、画面が少し暗すぎること。
演出なのかもしれませんが、一体何をしているのかわからないという場面も・・・




ストーリー ★★★
スリル   ★★★★
オバカ   ★★★
グロ    ★★★★
画面の暗さ ★★★★








ドキドキ!モンスター博物館 その他





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ドッグ・ソルジャー デラックス版(2003/12/21)ショーン・パートウィー、ケヴィン・マクキッド 他商品詳細を見るあらすじスコットランドの山岳地帯で演習中の小隊が、正体不明の敵に襲われ壊滅状態になった特殊部隊を発見する。現場には血糊と肉片が散乱していたが、死体そのものはどこかに消えていた。重傷を負いながらも生き残った特殊部隊のライアン隊長を保護し、小隊長のウェルズ軍曹や隊員のクーパーたちは救援を求めて山を...
ドッグ・ソルジャー

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第十五回映画レビュー「ジェイコブス・ラダー」

ジェイコブス・ラダー ジェイコブス・ラダー
ティム・ロビンス、エリザベス・ペーニャ 他 (1999/12/10)
パイオニアLDC
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1991年 アメリカ
監督:エイドリアン・ライン
出演:ティム・ロビンス エリザベス・ペーニャ マコーレ・カルキン


【あらすじ】
ジェイコブはベトナム戦争に従軍中、銃剣で脇腹を刺されて
重症を負って気を失う。
その後、郵便局員として不倫相手のジェジーと二人で暮らしていた
ジェイコブは奇妙な出来事を度々経験するようになる。
突如現れては自分を殺そうとする謎の怪物、
ダンスパーティーに出現する悪魔のような生き物。
そして、彼自身の精神状態も次第に錯乱しはじめ・・・




「ナインハーフ」のエイドリアン・ラインが描く
異色のホラーサスペンスです。



始まって間もないうちに激しい戦闘が繰り広げられます。

3.4分の短いシーンなのですが、
爆発やセット・小道具が凝っていて
意識を失って痙攣している兵士や、足がズタズタに
切り裂かれている兵士が転げまわっていたりと
この手の映画にしてはなかなかリアリティがあります。


ジェイコブ戦争

激しい戦闘

戦闘シーンの後、ジェイコブが地下鉄で不倫相手のジェジーのマンションへと向かうシーンになり、普通であればホッと胸っを撫で下ろすべき
ところなのですが、この映画はここからが本番なんです。
(第一始まってから十分経たないぐらいですしね。)

彼の周りで次から次へと奇妙な出来事が起こるようになります。

しばしば得体の知れないものを観るようになり、ひどい時には
その得体の知れないものに襲われるといった事も

ジェイコブ電車怪物

ジェイコブの行く手に現れる謎の怪物


そのようなことが続いたためにジェイコブの精神も不安定になり、
夢と現実の区別がつかなくなってしまいます。
そんな時に思い浮かぶのは既に離婚した前妻のサラと、
自分の不注意で死んでしまった彼の三男のゲイブのこと


ジェイコブカルキン

カルキン坊や扮するゲイブ

ある日彼はベトナム戦争時代の仲間に出会い、
彼自身もまた同じような現象で苦しんでいる事を聞かされます。

その話をした直後、その仲間は謎の爆発により死亡。
この奇怪な出来事の原因が政府にあると感じた彼は
ベトナム戦争時代、同じ部隊に所属していた仲間を集め
弁護士を雇って事の真相を明らかにしようとするのですが・・・


この映画、全体的な感じとしてはデヴィッド・リンチの映画、特に「マルホランド・ドライブ」と
似ているような気がします。

ただ、リンチはゾッとしてしまうようなシーンの他に、思わず笑ってしまうようなシュールな画も多いのですが、
この作品ではそういったところはなく、生理的な恐怖を感じさせるようなシーンが多いです。
その分、悪夢のような、怖いか面白いのかわからない
不条理さはあまりないのですが


また、リンチ作品は極めて難解で、観客自らがそれぞれの答えを導き出すといった感じなのに対し、
この映画では特定の答えがあらかじめ向こう側から提起されており、ストーリーを進めていくと
ほぼ確実にその結論に行き着くといったような感じです。

主人公の幻覚の中に現れる人物達は、その真実に辿り着くための手助けをするものや
それをあることによって妨害するものに分かれていて、
真実が明らかになるにつれて、彼らの正体も自然と明かされていきます。
意外にもラストは感動モノです。


あらすじやパッケージ裏の説明だけを読むと、
訳の分からない映像ばかり映る映画だと思ってしまいがちですが、
意外と堅実な作品です。


「一風変わった映画を観たいけど、訳がわから無さ過ぎるのは嫌」といった方にオススメです。


ストーリー ★★★★
スリル   ★★
オバカ   ★
グロ    ★★★
悪夢っぽさ ★★★







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第十四回映画レビュー「紀子の食卓」

紀子の食卓 プレミアム・エディション 紀子の食卓 プレミアム・エディション
吹石一恵、つぐみ 他 (2007/02/23)
ジェネオン エンタテインメント
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2006年 日本
監督:園子温
出演:吹石一恵 つぐみ 吉高由里子


【あらすじ】
島原紀子は田舎の平凡な女子高生
新聞記者の父・徹三と妹のユカ、母親の妙子のごく平凡な家庭で育ってきた。
紀子はそんな田舎の平凡な家庭で暮らす事が嫌でたまらなかった。
そんな時、全国の若者が集まる「廃墟ドットコム」というサイトを見つける。
何でもありのままに話し合うサイトの常連達に共感を覚えた紀子は
常連の中でもカリスマ的な存在である「上野駅54」さんに会いに行くために
停電の隙に家を抜け出し、東京へと向かう。
そこで彼女が目にしたもの、そして、彼女が果たさなければいけない役割とは・・・






園子温監督による「自殺サークル」の続編にあたる作品です。
と言っても僕は「自殺サークル」を観た事が無いのですが、
観なければ困るといった所はあまりないようで、
先にこの作品を観ても問題はありません。


公開当時はあまり話題にはなりませんでしたが、
評論家からは非常に高い評価を得ており、
特にジャーナリストの宮台真司氏はこの作品を「戦後の邦画ベスト5に入る」と大絶賛しています。
戦後の邦画ベスト5というのは言い過ぎかもしれませんが、
かなりレベルの高い作品であるということは間違いないでしょう。


この作品、個人のアイデンティティーと集団、特に「家族」における「役割」がテーマとなっております。


理想の家庭だとか、理想の人間関係といったものがありますよね。
そういうのは誰でも持ってはいるんですけど、色んな理由で結局は叶えられない場合が多い。
でも、それがささいなものであって、簡単に叶えられる程度のものであったとしましょう。


例えば、主人公紀子の父親は田舎街に暮らす平凡な地方新聞の記者で、彼の持つ家庭もまた平凡です。

いつもと同じことを繰り返すだけの毎日です。

でも彼は過去の経験から
「ごく平凡で幸せな暮らし」をすることが理想であって
彼自身も、「小さな田舎町の平凡な家庭を持つ平凡な新聞記者」としての「役割」に満足しているのです。



この場合、確かに彼自身は良いかもしれません。
ですが、その理想を押し付けられている側、
彼の娘達からすればどうでしょう。
主人公の紀子は
「小さな田舎の平凡な家庭で一生を終える新聞記者の娘」
としての「役割」を押し付けられることに嫌気がさし、
そこから抜け出そうとします。

一人の人間が理想を叶えようとする事は、
立場の弱い人間の理想を奪ってしまうのではないでしょうか。
この映画では、そこがキーポイントとなってきます。


でも、そのような二通りの人間がいることは社会の道理であって、
人々の多くがその強い方になろうとするのではないでしょうか。
この作品ではそのことを、シャンパンとグラス・花と花瓶
ライオンと草食動物の関係を例に挙げて説明しています。


例えばライオンはウサギやシマウマを食べるけど、
そのウサギやシマウマがいなくなる、つまり
ライオン的な人物が構築した「理想的な関係」から、
それに不満を持ったウサギ的な人物が抜け出せば、
どうなってしまうのか。

サバンナの世界では肉食動物の方が草食動物に比べて数が少ないので
このようなことは滅多に起こり得ませんが、社会の中ではどうでしょう。
誰しもがライオン的な人物になりたいはずです。


ライオン的な人物が構築していた「理想的な関係」は崩壊してしまうのではないでしょうか。
現に、紀子の家庭も彼女が家出したことによって・・・


ライオン的な人物の飽和。それを解決するための手段として、この映画では「レンタル家族」が登場します。

理想の家族・友人・恋人を持ちたい人の元へ人材を送り、一時的に
それぞれに見合った「役割」を演じさせる有料のサービスです。


例えば、身寄りのないお年寄りがそのサービスを利用して、
一定期間の間だけ、暖かくて優しい、テレビドラマのような家族を演じてもらうといったものです。

紀子家族団欒

幸せそうな家族、しかし・・・

紀子家族の正体

契約が終わるとこの通り


先ほどのライオンと草食動物の例で言えば、自力で餌を獲ることができない
ライオンの為に大人しい草食動物を分け与えるといった感じです。

このレンタル家族のメンバーの多くは自分の「役割」を見出せない人々
彼らは何回も色んな人物を演じていくことにより、
様々な「役割」を演じることこそが自身の「役割」であると認識するようになります。


これは一種の洗脳のような側面があって、このサービスを提供している組織は
必ずしも光だけではなく、どこか闇の側面を持っているという印象を受けます。

なぜかというと、このサービスを提供する人々の理想的な「関係」というのは様々で、
当然その中には人間の「死」を含んだ関係も存在しているんです。
このようなステージの高い「役割」を請け負うのはメンバーの中でもベテランの人間。

いくつもの人物を演じてきた彼女らは疑うことなくその「役割」を引き受けて死んでいきます。

紀子集団自殺

彼女達が請け負った役割とは・・・




このような危ないサービスなのですが、
利用者の数は非常に多いようです。

なぜなら、現実の関係よりもずっと良いから。
現実の関係なんていうのは一旦崩壊すると立て直すのは難しい上に、
必ずしもそれが理想的な関係とは言えません。

ところが、レンタル家族の場合はそうではない。
なにしろ最初から虚構なのだから、壊れることもない。
おまけに利用者の好きなように関係を構築することもできます。
(しかも、映画を見る限りではかなり安い!)

じゃあ、レンタル家族にも負ける本物の家族とは、一体何なのか。
そんなものに頼る個人は一体何なのか。

そして、現実の家族も、こんなものではないのか?


この作品ではその問題に真っ向から向かい合い、
これらが持つ矛盾をえぐり出していきます。
決して家族をポジティブに描かず、ネガティブなものとして描いているように感じます。



近年、「家族の大切さ」や「愛の強さ」をテーマにした作品が多い中で
この映画は異質であると言えます。
だからこそ、高い評価を得ているのかもしれませんが・・・




ストーリー ★★★★★
スリル   ★★★★
おバカ
グロ    ★★★★
テーマ性  ★★★★★





追記

この作品に出てくる廃墟ドットコムというサイト
実在します。

グーグルなどで検索すれば簡単に見つかるはずです。

劇中の雰囲気そのままです。これにはビックリ

現在は、この映画を観た海外の映画ファンによるアクセスが
多いようです。









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第十三回映画レビュー「GONIN」

GONIN GONIN
佐藤浩市、本木雅弘 他 (2007/03/28)
松竹ホームビデオ
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1995年 日本
監督:石井隆
出演:佐藤浩市 本木雅弘 根津甚八 竹中直人 椎名桔平 ビートたけし 

【あらすじ】
借金に苦しむディスコのオーナー万代は大金を手に入れるため、
暴力団大越組への強盗を企てる。ホモ相手のコールボーイの三屋、
汚職でクビになった元刑事の氷頭、リストラされて自暴自棄になっているサラリーマンの萩原
パンチドランカーのジミー、そして万代の五人は見事大金を強奪することに成功するが、
大越組はすぐさま彼らの仕業であることを突き止め、ホモの殺し屋カップル
京谷と柴田を送り込んだ。
果たして五人は無事に逃げ切れるのか。



石井隆監督による傑作バイオレンス・アクション映画です。
なんといってもこの作品、出演者がものすごく豪華

なんたって主役がこの人達


GONIN佐藤

佐藤浩市

GONIN

本木雅弘

GONIN根津

根津甚八

GONIN椎名

椎名桔平


GONIN竹中

竹中直人


そして、彼らを追う殺し屋京谷にビートたけし

GONIN武&一八

ビートたけしと木村一八(横山やすしの息子)


こういう作品はオールスター映画とか言われて、「出演者以外は見所がない」という批判を
貰ってしまうような結果になるんですけど、この映画は違いますよ。
演出、ストーリーともに一級品です。





まず演出。
影によって登場人物の顔を隠してみたり、引きのカメラワークによって
二つの物事を同時に被写体に入れるといったスタイリッシュな映像の数々。
この映画のダークな雰囲気を作り出す事に貢献しています。



GONIN演出1

話を盗み聞きする萩原





そして、巧妙なストーリー
彼らのそれぞれにドラマを持たせながら、しかもそれをあまり長く語らせないことによって
灰汁の強い俳優を誰一人浮かせることなく、それぞれの個性を引き出しています。




特に、主人公達を狙う殺し屋コンビの一人、京谷を演じているビートたけしがすごく良い。
この人は監督としての業績が有名ですが、役者としてもなかなかいい演技をしますね。
特に狂った男の役をさせると本業の俳優も顔負けの怪演を披露してくれます。非監督作品では、高倉健と共演した「夜叉」雀洋一監督の「血と骨」でもいい狂いっぷりをしてるんですけど、
この作品での演技が一番インパクトがあります。




特に印象に残るのが、あの眼
例のバイク事故からの復帰直後だったので、片目にガーゼをしていまして、
そのガーゼが妙な威圧感を放っていて、顔がアップになるシーンでは思わずゾクッとしてしまいます。



GONIN武

まさに眼力




こんなのに追いかけられるんだから
さすがに一癖ある男達もなす術が無く、それぞれのドラマを繰り広げながら一人、また一人と散っていきます。




GONIN惨劇

自宅に帰った萩原を待っていたものとは・・・。
この場面、下手なホラー映画よりも怖いです。ちょっとしたオチがあるんですけど、それがまた恐ろしい



だがしかし、彼らも負けてはいません。
仲間達を殺した京谷、もとい大越組に復讐をするため、彼らの事務所へ再び乗り込むのですが・・・・
ここから先の展開は映画をご覧ください。






なにぶんバイオレンス・アクションなだけあって残虐なシーンが多く
その系統が苦手な方にはあまりオススメはできないのですが、
そういうのが平気な方、是非ご覧ください


ストーリー ★★★★ 
スリル   ★★★★★
オバカ   ★
グロ    ★★★★
キャストの豪華さ ★★★★★ 










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第十二回映画レビュー「飛べ!フェニックス」

飛べ!フェニックス 飛べ!フェニックス
ジェームス・スチュアート、リチャード・アッテンボロー 他 (2006/11/24)
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
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1965年 アメリカ
製作・監督 ロバート・アルドリッチ
出演 ジェームズ・スチュワート  リチャード・アッテンボロー


【あらすじ】
サハラ砂漠上空を飛行中だったタウンズ機長の輸送機が砂嵐によって不時着してしまった。
そこは砂漠のど真ん中、救助隊が来るあてもなく、水は数日しかもたないこの状況で
男達は生き残るために必死で行動を起こすが、どれも失敗してしまう。
だが、ドイツ人の青年ドーフマンがあるとんでもないアイデアを思いついた。
それは、破損した輸送機のパーツから、新しいプロペラ機を作るというものだった。
無謀な計画だが、助かる道はそれしかない。果たして男達はこの死の砂漠から脱出できるのか


「何がジェーンに起こったか?」などで知られる名監督、ロバートエルドリッチの作品です。
出演者もジェームズ・スチュアートをはじめ、渋い役者さんがそろっています。


そんな粒ぞろいのキャストなんですけど、死ぬ時はアッサリ死んでしまいます。
何か格好のいい遺言を残したりとか、そんなことは一切ありません。
ある人は砂漠で行き倒れになったり、またある人は助かる見込みがないことを悲観して自殺してしまったりと、
どんなに顔が渋くても、性格が男前でも、アッサリかつ生々しく死んでしまいます。
個人的にはギターを持った気のよさそうなあんちゃんが不時着の際に
ガレキにつぶされて死んでしまったことがショックでした。
(死体は映さず、ガレキからはみ出た手とその側にギターが転がっているのがキツいです。)
そういう点では、実にハードな映画です。



この映画では墜落した輸送機を改造して脱出するといった話なんですけど、
そこには登場人物達の様々な確執や悲劇がこれでもかと言わんばかりに繰り広げられます。


例えば、勇敢なイギリス人のハリス大尉とその部下ワトソンの関係。
ワトソンなんて聞くとかのシャーロック・ホームズの相棒みたく
物凄く知恵が立って役に立つ人なんて印象を受けるんですけど、
この映画のワトソン君はひどい臆病者で、全然役に立ちません。
上官と一緒にオアシスに行くのが嫌で、
足を段差にひっかけて捻挫したふりをしちゃったりします。
それが真面目なタウンズ機長にバレちゃって、完全に信頼を失ったりと
もうこの映画の男達の中では一番情けない立場にあります。


でも現実に即して考えてみると、誰だってそんなことをして死んじゃうのは嫌ですから
彼のやっていることの方が現実味があるのかもしれませんね。



そして、ジェームズ・スチュアート扮するタウンズ機長とハーディ・クリューガー扮する
ドイツ人航空デザイナードーフマンの確執。

タウンズ機長はそれはもうベテランでして、飛行機の操縦に関しては専門家と言ってもいいほどの
知識を持っているわけなんです。
ところがドーフマンときたら、皆がチョビチョビと大事〜に飲んでる水を勝手に飲んじゃったり
する、空気の読めない、年配の方から見たらいかにもな「最近の若者」って感じの人。


しかもこいつが輸送機の部品からプロペラ機を作り直すだなんて突拍子もないことを言い出して
最初は疑っていた他の人たちも彼の綿密な論理に感心しちゃって、次第にドーフマンに
信頼を寄せていくんだから、彼の才能を認めざるを得ない、でもそれが気に食わない。

で、この二人はいろんなことで反目しあうんですけど、リチャード・アッテンボロー扮する
タウンズ機長の助手モランのとりなしもあって、お互いを認め合うように、(どちらかというと
タウンズ機長がドーフマンに妥協したんですけど)なります。

このモランという人、皆のまとめ役のような存在で、とにかく対立を引き起こさないように
奔走しています。この人がいなければ全員水を争って殺し合いでもしちゃって
誰一人助からなかったんじゃないでしょうか。

ところが、いよいよプロペラ機が完成するという所で、
ひょんなことからドーフマンに衝撃の事実が発覚!
しかもドーフマン本人も自信満々にそれを言っちゃう
絶望の淵に立たされるタウンズ機長!でもドーフマンは気にしてないぞ!



と、こんな風に様々な人間対人間の確執を織り交ぜながらいよいよプロペラ機「フェニックス号」が
飛び立ちます。このシーンがまたいいんですよ。

フェニックス号に乗っている(正確に言うとしがみついている)彼らの表情の
素晴らしい事!彼らの目の前にあるのは達成感と希望であって、それまでの確執は
全部砂漠のど真ん中に置いてきたのでしょう。
観てるこっちまでもがすがすがしくなる素晴らしいエンディングです。



145分と長めですが、どんな方にもオススメできる映画です。


ストーリー ★★★★ (人間関係がリアルに描かれた濃厚な人間ドラマ)
スリル   ★★★★(キーパーソン的な人物があっさり死んだりします。)
オバカ   ★★  (ドーフマンの行動に笑ってしまうかも)
グロ    ★★  (直接的な描写は少ないのですが・・・)
漢度    ★★★★★ (アツい映画です。)










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第十一回映画レビュー「スパニッシュ・ホラー・プロジェクト 悪魔の管理人」



スパニッシュ・ホラー・プロジェクト シリーズ



2006年 スペイン
監督:ジャウマ・バラゲロ
出演: マカレナ・ゴメス  アドリア・コヤド ヌリア・ゴンザレス

【あらすじ】
妊娠をきっかけに新しい住居を探すクララとマリオの夫婦。
ある日、マリオが広告で見つけたアパートを見に行くが、そこは街外れの寂れた所にあり、
建物自体もボロボロで決して良い物件とは言えなかった。
管理人の執拗なセールストークにめまいがしたクララは寝室で休ませてもらうが
そこにはなぜか夫が数日前に捨てたはずの靴と、夫婦の写った写真が置かれていた。
不審に思う二人、だが時は既に遅く、管理人は豹変して二人に襲いかかる。


スペインの名監督達が「恐怖」をテーマにホラー映画を競作する
「スパニッシュ・ホラー・プロジェクト」の一つです。

監督は、「ネイムレス 無名恐怖」や「ダークネス」「機械じかけの小児病棟」のジャウマ・バラゲロ
この二つの作品はまだ未見ですが、機会があれば見ていきたいと思っております。


この作品、ストーリー自体は「気が狂った古アパートの管理人に襲われる」
といった単純なものですが、とにかく展開が早いです。

始まってから15分でいきなり管理人が襲い掛かってきます。
そこから終わりまで息抜きシーンはほとんどなく、一気に突っ走っちゃいます。
もちろんただ追いかけられるだけではなく、意表を突いて反撃したり
いろんな駆け引きがあったり、回想っぽいシーンを入れて観客のミスリードを誘って見たりと
飽きないための工夫が随所になされています。
67分の短編ということもあって、割とサクサク観ることができました。


一番の見所は管理人さん(ヌリア・ゴンザレス)のキャラクター。





本人の話によれば、この人は元々熱心な管理人さんで、この仕事に生きがいを感じていたらしいんですけど
建物の老朽化で住人が出て行ったのをきっかけに気が狂っちゃって、
最初は寂しさを紛らわせるためにマネキンなんかを置いて住人の代わりにしてたんですけど、
やがてそんなことをする自分が狂っていることに気がついたらしんです。



そして、正気を取り戻した彼女は、



自分が素敵だと思った人(主に夫婦)のポストにチラシを入れて
興味を示して見学にきたところを捕まえて鎖とか針金で縛っちゃって
無理矢理ここの住人にしちゃう、というグッドなアイデアを思いついたのです。





こっちの方が狂ってると思うんですけど、管理人さん本人に言わせればまともなんだそうです。






管理人さんが外見の割にちょっぴり強かったり、
ちょっとしたツッコミどころはあるんですけど
この手のホラー映画が好きな人には十分楽しめる出来だと思いますので
あまり期待せず、何かのついでで観るといった感じでご覧ください



ストーリー ★★★ (話はありがちか?展開が早いので観やすい。)
スリル   ★★★★(緊張感を漂わせる要素が上手く盛り込まれている。)
オバカ   ★   (あまり笑えるところはないと思います。)
グロ    ★★★ (痛そうなシーンがちらほらと・・・)
管理人さんのキ○ガイっぷり ★★★★(本当にいそうでいないといった感じで、なかなかのインパクト)






ザ・管理人 他




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超大作「トランスフォーマー」を観ました。

いやあもうすごいのなんの。
本当にトランスフォーマー達がその場にいるかと思う位の大迫力。
ストーリーは原作通りというべきか、ハリウッド一の馬鹿監督
マイケル・ベイだからなのかはっきり言ってご都合主義で
ちょっと抜けてる所も多いんですけど、映像がそんなことをどうでもいい事にしちゃって
ふっ飛ばしてしまってます。

予告ではロボットVS人間って感じになってますけど、
コンボイ(オプティマスプライム)率いるサイバトロン(オートボッツ)達もしっかりとデストロン(ディセプティコン)相手に迫力満点の大ドンパチを繰り広げてくれます。
特に、デストロンのボスメガトロンの台詞は原作ファンには嬉しいものばかり。
コンボイも負けじとオチャメっぷりを披露したり、
とにかくもうてんこ盛りの二時間半でした。

大人気キャラ(?)のスタースクリームもなかなかの活躍をしますよ。
ファンはエンドクレジットまで目を離さないで下さい。
ニヤリとさせられます。

トランスフォーマー (ハヤカワ文庫 SF フ 15-2) トランスフォーマー (ハヤカワ文庫 SF フ 15-2)
アラン・ディーン・フォスター (2007/07)
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トランスフォーマー ムービーシリーズ オプティマスプライム ほか

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第十回映画レビュー「悦楽共犯者」

ヤン・シュヴァンクマイエル 悦楽共犯者 ヤン・シュヴァンクマイエル 悦楽共犯者
ヤン・シュヴァンクマイエル (2005/02/23)
コロムビアミュージックエンタテインメント
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1996年 チェコ
監督:ヤン・シュヴァンクマイエル
出演:ペトル・メイセル ガブリエラ・ヴィルヘルモヴァー

【あらすじ】
六人の男女がいる。
鳥の被り物を作る若い男、その若い男に見立てた人形を作る中年女、
謎の装置の製作に励む本屋の男、パンの中身をくりぬき、丸めたものを集める郵便配達の女、
毛皮やブラシを集めるひげ面の男、鯉に餌をやるニュースキャスターの女
彼らは皆、自分の要求を満足させるための”自慰器具”を作っているのだ。







チェコのシュルレアリスト映像作家、ヤン・シュヴァンクマイエルの第三回長編作品にして、
最もぶっ飛んだ内容の映画です。



話は至って単純。
六人の男女が自分の要求を満たすためにそれぞれの要求に見合った「自慰器具」
(あれですね、大○のオ○チャ)を作っちゃうというお話。

そんな話を約90分間の映画にしちゃった所が
このシュヴァンクマイエルの凄いところ
他のシュヴァンクマイエル作品ほど多くは使われておりませんが、
彼独特のアニメーションも素晴らしくて、人形なんかは
本当に生きているように見えます。



普通のビデオ屋ではおそらくレンタルすることができないし、
はっきり言ってネタバレして損をするような所も無いと思うので、
今回はネタバレありの方向でレビューします。



【登場人物】


ピヴォイネkairak1


一応主人公、気の弱そうな青年。
人気の無い山里で鶏に見立てた被り物と傘で作った羽を装着して鶏人間となり
隣人のロウバコヴァに見立てた藁人形を虐待する。
彼が中心となるシーンでは落ち着いた感じの交響曲が流れる。




ロウバコヴァtyunen


娼婦っぽい格好をした中年の女性。隣人のビヴォイネに好意を持っている?
さびれた教会の中でビヴォイネ人形相手にSMプレイを行う。
彼女が中心となるシーンでは、神聖な感じの曲が流れる。




アナkyasuta-


夫との冷えた関係に嘆くニュースキャスター。
鯉に足を加えさせて快楽を味わう。しかもわざわざニュースの放送中に

ちなみに彼女を演じているのは本物のニュースキャスター
出演に至る経緯は謎らしい
彼女が中心となるシーンでは悲しげな感じの曲が流れる。




クラzassi


雑誌屋を経営している冴えない感じの親父。
大好きなニュースキャスター(アナ)がテレビに映ると
ハンドメイドの抱きつきマシーンを作動させ、
擬似セックスをすることで快楽に浸る。
彼が中心となるシーンでは軽い感じの曲が流れる。




ヴェトリンスキーkeizi


ヒゲと流し目がチャーミングなナイスガイ、管理人のお気に入り。
キャップに短パン、リュックサックという小学生みたいな服装も素敵。
職業は刑事となっているが、指キャップを万引きしたり
側にいた女性がつけていた毛皮をカミソリの刃で切り取っちゃったり
とてもそうだとは思えない。

そんな彼は触覚フェチ、板切れや麺棒に毛皮だの指キャップだのブラシだの打ち付けた釘だのを
貼り付けて、自分の体を擦ることで快楽を得る。

彼が中心となるシーンでは壮大なオペラ(男性のソロ付き)が大音量で流れる。だが、そういったシーンでは大抵彼は間抜けなことをしているので、そのギャップに思わず爆笑してしまう。
ちなみにアナは彼の妻である。




マールコヴァyuubin


郵便配達員。パンの中身をちぎって丸めたものを
鼻から大量に吸い込み、一晩経ってからまた噴き出すことを快楽としている。

ピヴォイネにロウバコヴァからの手紙を渡したり
アナにパンをあげたりするキーパーソン的な人物。




物語はこの七人が自分のための自慰器具を作り、完成したそれを使用することで快楽を得るという
単純と言えば単純な話なのですが、その自慰器具があまりにも変すぎるんです。




だって、

鶏の物真似をして隣のオバチャンの人形を虐め回すとか

birdman
変態鳥男

ningyou1
その犠牲者(人形)




人形相手にSMプレイとか

SM
SMおばちゃん

ningyou2
その犠牲者(人形)




鼻からパンのかたまり何十個も吸い込むとか

pan1
ズズズー

pan2
フンガッ!




テレビ出演中にわざわざ鯉の入った盥を足元に置いて喘ぐとか

fish2


fish1
注:生放送中です




わざわざ大層な機械作ってニュースキャスターと抱き合う真似事とか

terebi2
抱き合う男とエロマシーン

terebi1
ブチュ




いろんなものをつけたブラシで体を擦るとか

keizifeti
恍惚の表情





普通考えませんよ。



でも、それをやっちゃうのがチェコを代表するシュルレアリストであるシュヴァンクマイエルの凄さ。
ある意味残酷な結末とタイトルの意味に深い感銘を受けるもよし、
登場人物の奇天烈な行動に笑うもよし、
とにかく、最高に変な映画を観たい!という人にはオススメです。

あ、でもエロは期待しないように
せいぜいおっさんの生尻が映るぐらいですから




ストーリー ★★★★(非常に独創的なストーリー、前半はやや単調か)
スリル  (ほぼ皆無)
オバカ ★★★★(素晴らしいオバカ映像、芸術とバカは紙一重)
グロ ★★(見る人によっては独特のアニメーションが気持ち悪いかも)
テーマの深さ ★★★(ああ、なるほどなあ、といった感じ。そんなに難解ではないですよ)






テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

第九回映画レビュー『ヒッチャー』



ヒッチャー その他



1986年 アメリカ
監督:ロバート・ハーモン
出演:C・トーマス・ハウエル ルトガー・ハウアー


【あらすじ】
車の長距離輸送をしていたジム・ハルジーは、
雨の降りしきるテキサスのハイウェイで一人のヒッチハイカーを拾う。
ジョン・ライダーと名乗るその男は突然ナイフを取り出し、ハルジーに向ける。
ジムは一瞬の隙を突いてなんとかライダーを車外へ追い出し、その場を切り抜ける。
だがしかし、彼の執拗な追撃はまだ始まりにすぎなかった・・・・。



『ブレードランナー』の敵役でおなじみのルトガー・ハウアーが
正体不明の殺人鬼を演じる
サイコサスペンスの傑作です。

ハイウェイで正体不明の人物に追いかけられる話というと、
スピルバーグの『激突!』などがありますが、
あれはどちらかと言うと、謎の「車」にひたすら
追いかけられるという感じでした。

しかし、この映画で執拗に追いかけてくるのは、
ジョン・ライダーと名乗る「人」なのです。
この男を拾ってしまった事をきっかけに、
主人公は凄まじい恐怖を味わうことになります。

やっとのことで振り切ったと思っていても、
しばらくすると彼はどこからともなく目の前に現れます。

PART6以降のジェイソンもびっくりの神出鬼没ぶりです。

何の前触れもなくヒョッコリ
現れるので、観客も目が離せません。
神出鬼没すぎてちょっと有り得ないぞ、という所もありますが、
そんなことを気にしていてはいけません。

ただ、ジェイソンとは違い
(ムチャクチャな比較をしてますけど、気にしないで下さい)
彼はなかなか主人公を殺しにはかかりません。
とにかく主人公を精神的に追い詰めていくのです。
性格も非常に残忍なので、子供連れの家族であろうと
平気で殺し、主人公の精神を揺さぶって行きます。
しまいには保安官殺しの罪までも着せてしまいます。
彼には容赦や限界といったものはありません。
何たって、主人公を追い詰める為だけに
人を惨殺するほどですからね。


しかもこの人、すごく強いです。
ヘリなんかもあっさり撃ち落したりしちゃいます。


どうしてそこまで主人公をいたぶるのかと言うと、
はっきりした目的はありません。
ただ目に付いたからなのでしょう。
(彼の会話から、主人公以外にも以前にヒッチハイカーが
一人殺害されていることがわかります。)

彼はまさしく狂っているのです。
特に、ラスト近くでの取調べのシーンでの彼の言葉は
あまりにも空虚でゾッとしてしまいます。

彼からは人間らしい感情の一欠けらも感じ取ることができません。



ジョン・ライダーのような目的も不明で
超人的な殺人鬼というキャラクターは
下手をすれば観客から笑いものになる危険性もありますが、
ルトガー・ハウアーの演技力がそれをさせません。

広大なハイウェイの風景もこの映画の味を外側から引き立てていて、
並のスリラーとは一線を画した雰囲気的な恐怖が感じられます。



最後に主人公が取った行動は法的には間違いではありますが、
ジョン・ライダーの恐ろしさを考えると正しかったのかもしれません。




今年の夏、マイケル・ベイがプロデューサーとなってリメイクが製作され、
ジョン・ライダー役にハリウッドを代表する悪役スター、
ショーン・ビーンが抜擢されました。
評判はあまり宜しくないようですが、一度は観てみたいですね。




ストーリー ★★★★  (謎の人物に追いかけられるという単純な話がこれほど怖いとは)
スリル   ★★★★  (どんどん追い詰められていきます、尺が少しばかり長いのが欠点か?)
おバカ   ★     (強すぎるジョン・ライダー。ムチャクチャなのに怖い!)
グロ    ★★    (直接的な描写はほとんどありませんが、それ観ている人の反応や会話がキツイです。)
ハイウェイの風景 ★★★★
(広大で綺麗な感じです。こんなところで車が故障したら大変そう)




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テーマ:映画レビュー - ジャンル:映画

はじめまして

こんにちは、このブログの管理人を務めるエンジンと申します。
当ブログでは、僕が個人的に面白いと思った映画に関するレビューを
不定期に書いていきます。

方針としましては、出来る限り結末のネタバレは無し
出来るだけ甘口なレビューをこころがけていきたいと考えております。
取り上げる映画の種類としては、管理人の好みである
ホラー映画を中心としていきます。

なお、レビューの一番最後に

ストーリー (話の展開、いい意味での意外性)
スリル   (ハラハラドキドキできるか)
おバカ   (笑いのシーンはあるか、それが面白いか)
グロ    (残酷描写がキツいか)
????(取り上げる映画によって随時追加)

の五つの項目を、最高★五つで評価したいと考えております。


あまり意味がないので止めました。(3月10日の記事まで)

まだまだ未熟ですが、どうかよろしくお願いします。

テーマ:映画レビュー - ジャンル:映画

ドキュメンタリー映画『選挙』を観ました

先日、大阪十三の第七芸術劇場にて観賞。
この映画館には初めて行ったんですけど、そこはかとなく
アングラっぽさが滲み出ていい感じです。
食べ物もポップコーンじゃなくてクッキーだし、
ドアノブがゴムベルトになってたり


映画の感想としましては・・・・
選挙なんていうのは頭なんかよりも、体力勝負なんだなということを実感させられました。
この映画の主人公である山内和彦さん(以下山さん)は色々なことをやらされるんですけど
そのほとんどが地域の有力者や団体への挨拶周り。

お祭りで神輿を担がされたり(このときの山さん、相当辛いのか手がプルプル震えてます)
老人会の運動会でラジオ体操をしたり、ものすごいハードスケジュールです。

しまいにはとある人の無責任な発言が原因で奥さんが怒り出しちゃったりします。

でも山さんはなかなか頑張り屋でして、些細なことで怒られても文句のひとつも言いませんし、
毎日声が枯れるまで街頭演説を続けます。

でも大きな問題が・・・。
この山さんは公募で選ばれたいわゆる「落下傘候補」で、
政治に関しては全くの素人。
選ばれた理由としては、「東大を出ていること」と
「切手・コイン商」で成功していることではないかと山さん本人は言っております。

街頭演説の内容も、当時叫ばれていた「改革を止めるな」の一点張りで
具体的なことはあまり喋りません。



肝心なのは政治に関する知識よりも体力なのです。
劇中でも山さんは車の中でこんなことを言います。


「しっかりと演説を聴いてくれる人なんていないんですよ
 とにかく党と候補者の名前を覚えてもらうことが第一なんです。」


うーん、なんと言えばいいのか・・・・







テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

デヴィッド・リンチの『インランド・エンパイア』を観ました

今日の朝一番に観てきました。
他の観客は結構いたけど、席には余裕がありました。



映画の感想なんですが・・・、いやあ、全然わからない。(汗)
『マルホランド・ドライブ』はそれなりに理解できたのに。
映画を観ながら「このシーンはこういうことを表していて・・・」とか
頭が悪いなりになんとか解釈しようとしてたんですけど、後半になって
どうも僕の考えが違うような気がしてきまして、
そこから先は純粋に映像を楽しんでました。(笑)


「デヴィッド・リンチの映画は理解することが不可能」とか言う人もいて
確かにそれはそれで正しくて、映像だけを楽しむという見方もいいんですけど
色々考えながら観て、ストーリーが進行していくにつれて、自分の解釈を
考え直したりして、人の解釈と比べるのも面白いと思うんです。



金銭的な余裕があればもう一度観に行きたいのですが、
今後の予定と照らし合わせるとちょっと厳しいようです。




ツインピークス ゴールドボックス その他






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第九回映画レビュー『13日の金曜日part3』

13日の金曜日 PART3 13日の金曜日 PART3
ダナ・キンメル、ポール・クラトカ 他 (2007/08/24)
Paramount Home Entertainment(Japan)Limited(CIC)(D)
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1982年 アメリカ

監督:スティーブ・マイナー
出演:ダナ・キンベル ポール・クラッカ

【あらすじ】
殺人鬼ジェイソンが引き起こした惨劇から一夜が明けた。
わずか一名の生存者も発狂し、ジェイソンの行方もわからぬままであった。

そんな中、若者達がクリスタルレイク近くの別荘地でキャンプを行おうとしていた。
この湖に嫌な思い出を持つクリス、その恋人のリック、孤独なオタクのシェリー、
気の強いベラ、お調子者のアンディーとその恋人デビー、ヒッピーくずれのチャックとチリ
もちろん彼らはこの湖で過去に何があって、これから何が起ころうとは知る由もなかった。



さて、『13日の金曜日』の三作目です。
この映画の見所として、3Dによるド迫力の映像。が挙げられ・・・・・・るところなんですが、
そもそも、その3D映像というのは「ジョーズ3」でも使われていた
遊園地のアトラクションの一つとしてよくある、
赤と緑のフィルムがつけられた眼鏡をかけることによって
一部のシーンが画面から飛び出してくるように見える、といったものなんですけど、
現在では機器の関係で3Dな画面を観ることがほぼ不可能となっております。
とは言っても、その3Dでド迫力のシーンが

フライパンで料理されるポップコーンを見下ろしたシーンだったり、
ヨーヨーをしているところを下から撮ったシーンだったり、
ジェイソンに顔を横からつぶされた
犠牲者の目玉がこっちに飛んでくるシーンだったり

(しかもスプリング丸出し)

あまり観なくてもいいシーンなので、なんら気にする必要はございません。


そんな理由から、シリーズの中で一番パッとしないと思われがちなpart3なんですが、
僕はこの作品が結構好きなんです。

この作品、他のシリーズ作品に比べて、割と登場人物一人一人が丁寧に描かれていると思うんです。
(あくまでも、「13金」の中で、ですけど)

その中でも特にすごいのがシェリーというちょっとぽっちゃり系の青年。

彼はみるからにオタクといった感じの人で
「全財産だ」といって持ってきた小さな箱に特殊メイクの小道具、
そして財布に避妊具を忍ばせている素敵な人。
自慢の特殊メイクで他のメンバーをびっくりさせて気を引こうとしますが、
逆に総スカンをくらってしまいます。

メンバーの一人であるベラと一緒に街のスーパーマーケットへ行った時も、
横からベラが白い目で見ているにも関わらず
平気で大人の本を読んでニヤニヤしてたり
田舎者っぽい暴走族にからまれ、
財布を取り上げられて中にあった大事なものを公開
させられたり
と、色々素晴らしいことをしてくれる彼なんですが、
この「13金」シリーズに対して多大な貢献をします。


ジェイソンのトレードマークであるホッケーマスク、これを被るきっかけを作ったのは
他でもないこのシェリーなのです。

もし彼がいなければ、今頃ジェイソンは布袋を被り続け、
別名「殺人エレファントマン」と呼ばれていたか
あるいは、醜くて目立たない素顔のままその他のB級クリーチャーとともに闇に葬られ、
DVDすら発売されないという事態に陥っていたか、
またあるいは新作が出る度に
スーパーの袋や洗面器やピエロのお面やら被り物を変え続け
その奇抜さから、本来と同じようにホラー映画のスターとして君臨したのかもしれません。


そのようなことを考えると、彼はシリーズ全体においても非常に重要な人物であると言えるでしょう。




ラストのオチがこれ見よがしなビックリ狙いの上に二番煎じだったり、
3Dのシーンが今ではカメラミスにしか見えなかったりと、
全体としてみると少し微妙な映画ではあるんですけど、
個人的にはお気に入りです。


ストーリー ★★    (人物の描き方は良いけど、オチがひどい)
スリル   ★★★   (及第点)
おバカ   ★★★   (シェリーの素敵な行動と3Dに高ポイント)
グロ    ★★    (目玉ポーン!)
シリーズにおける重要性 ★★★★★ (ジェイソンとホッケーマスクの出会い)




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テーマ:映画レビュー - ジャンル:映画

第八回映画レビュー『あの夏、いちばん静かな海』

あの夏、いちばん静かな海。 あの夏、いちばん静かな海。
真木蔵人 (1999/05/25)
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1991年 日本

監督:北野武
出演:真木蔵人 大島弘子

【あらすじ】
聾唖者の茂は仕事であるゴミの回収作業の途中、
先が折れたサーフボードが捨てられているのを見つける。

サーフボードを発砲スチロールと割り箸で修理した茂は
翌日、ガールフレンドで同じく聾唖者の貴子と共に
近くの浜辺でサーフィンをするが、なかなか上手くいかない。
だが、彼はサーフィンに夢中になり、メキメキと腕を上げていく。

タカコはそんなシゲルを静かに見守っていく。







暑い日が続きますね。
温暖化に影響すると聞いて、なかなかクーラーに手がのばせません。




今回はそんな夏真っ盛りにふさわしい映画を取り上げたいと思います。
(いえ、ホラー映画もある意味では夏らしいと言えるんですけど・・・)





この『あの夏、いちばん静かな海』はあの北野武の三作目の映画作品となります。




北野映画と言いますと、世間的には好きな人と
嫌いな人がはっきり分かれるようでして
僕なんかはこの人のファンなのですが、
僕の母親がものすごく嫌っていまして・・・・。





その理由として、母が言うには主に
「この人はいつも自分の映画に主役として出てる、ナルシストだ」
「暴力的な描写が多い、残酷だ」という事を挙げております。




いや、確かにその通りかもしれません。




『HANA-BI』なんかはファンの僕から見ても
ちょっとクサいかなと思うところがあったり
(映画自体は良い出来なのですが)

暴力描写も、ホラー映画などで
見慣れている僕のような人間ならともかく、
そういうのをあまり見ないような人から見れば
やっぱりキツいのかもしれません。





でも、この映画はそういった北野映画が嫌いな人、
苦手な人にも是非見ていただきたいです。
たけしは一切出てきませんし、残酷な暴力描写も一切ありません。



真木蔵人演ずる主人公の茂とその恋人貴子は
聾唖者という設定のため、一切喋りません。

普通の映画だと、このカップルがそのことで差別を受けたりして
ああかわいそうなんてことになるんですけど、
この映画ではそういうことはありません。

オバカなサッカー青年の二人組から小石を投げられるぐらいです。
(この二人も悪意からそういうことをやったわけではなくて、
後々主人公に感化されてサーフィンを始めたりもします。)

かといって変に特別扱いするということもなく、
周りの人はごく普通に彼らと接します。





この二人、一切言葉を口にしない分、非常に良い表情をします。
まさに「目は口ほどにものを言う」といった感じです。

映画全体もこの二人と同じように静かな雰囲気で包まれています。
一応音楽とか、他の人の台詞とかはあるんですけど、
それでもなんとも言えない静けさが漂っているんです。





他の登場人物も皆いい人ばかりで、
悪人と言うべき人は一切出てきません。

例えば、サーフショップの店長。
他のサーファーからも親しまれている人徳のある人なんですけど、
純粋にサーフィンに打ち込む茂を気に入って、
ウェットスーツをタダであげたり
大会へ誘ったり、車で会場まで運んであげたりと、
色々世話を焼いてくれます。




他のサーファー達も初めのうちは
下手な茂を見て笑ったりしていましたが、
茂の熱心さに感心し、しだいに仲間として打ち解けていきます。




先ほど書いたオバカな二人組もいい味を出してます。

彼らは浜辺へ行く茂と貴子を見ているうちに、
自分達もサーフィンをしたくなってきてしまい
リサイクルショップで売っていた
激安のサーフボードでサーフィンにチャレンジするのですが、
彼らの行動ひとつひとつが非常に面白くて微笑ましいです。

茂達の行動を真似していって色々と失敗をするといった感じで、
あまりストーリーとは関係ないんですけど、
それがなんとも言えない良い味を出しています。





話はとにかく淡々と進んでいきます。
途中でささいな誤解から彼女と喧嘩してしまったり、
サーフィンに熱中するあまり
仕事をサボって上司から怒られてしまったりするんですけど、
どれもあっさりと解決します。

このような展開は起承転結の「転」をないがしろにしていて
映画的には駄目なのかもしれません。



しかし、あくまでもこの映画は
「茂がサーフィンに打ち込んだ夏」の話でありまして、
何かがそれを邪魔するといった「映画的な展開」は
いらないのかもしれません。





でも、この映画にも結末というものがありまして
その結末がまた非常に悲しいんです。

久石譲の音楽が悲しさを盛り上げてくれます。
音楽に食われてしまう映画っていうのは結構多いんですけど、
北野映画は久石譲の音楽が内容とうまい具合に
まとまっていて非常に良い感じですね。




「好きな邦画を十本選べ。」と言われたら、
この映画を十本のうちの一つに選びますね。
あらゆる人にオススメできる映画です。




ストーリー ★★★★★(ほとんど何も起こらない、だからこそ良い)
スリル        (物語は静かに進んでいきます)
おバカ   ★★★  (オバカな二人組が本当にいい味出してます。)
グロ         (直接的な暴力描写は一切ありません。)
音楽    ★★★★★ (久石譲の中でも屈指の名曲)


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テーマソング 久石譲 SILENT LOVE その他